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神奈川県公立高校
平成31年度学力検査の
出題傾向と対策

平成31年度学力検査の出題傾向

平成31年度学力検査問題分析

神奈川公立高校入試における学力検査問題がどのようなものか、平成31年度入試で出題された問題を教科ごとに見ていきます。

英語

大問構成は前回と変わらず8題構成となりました。英語の基本的な知識に加えて,英文や資料から必要な情報を読み取る力,それを活用して表現する力など,実践的な力が求められました。

問1はリスニングの問題。前回より放送される英文の語数が増えたことや(ア)(イ)の選択肢が長くなったことで,時間内に情報の取捨選択を正確にできるかが求められました。

問2~4は文法の問題。問2は前後関係から判断して英単語を書く問題で,文脈と指示された文字から単語を導き出す力と語彙力が求められました。

問3の適語選択や問4の語順整序で問われた内容は基本的な文法でしたが,文脈や対話の流れを理解して解かなければならない問題でした。

問5は英作文問題。相手への質問として適切な英文を,絵と前後の会話から判断して書くことが求められました。未来を表す表現とbe able to~を組み合わせた疑問文を作るという,比較的難度の高い問題だったと言えます。

問6~8は英文読解の問題。問6は長文読解で,前回と同じく,適文選択と内容一致の出題となりました。

問7は英文と料金や電車の乗り換え案内の書かれた資料から指示内容を読み取る問題。

問8は対話文読解で,今回は防災を題材にした対話文が出題されました。防災地図を選ぶ(イ)では,本文に書かれた地図作成の流れを正確に読み取る必要がありました。問6や問8では英文の語数が前回より増えたことで,必要な情報をすばやく正確に見つけ出す力が必要でした。

国語

今回は,前回と変わらず,大問5題,小問30題の構成となりました。

問一は,漢字の読み書き,文法,俳句の鑑賞文。漢字の書きは,前回同様選択式でした。読み・書きともに「彫塑」「草稿」など使い慣れない言葉が多く,難しいと感じた受験生も多かったでしょう。また,文法は「で」の識別が出題されました。

問二は古文。出題内容はほぼ例年通りです。傍線部の説明を問う問題,文章全体の内容一致の問題などが出されました。主語や場面の把握に気をつけて読めば,内容を理解しやすい文章でした。

問三は小説文。出題内容は心情を問うものが多く,それぞれの登場人物の置かれた状況や,心情の変化を注意深く読み取る必要がありました。

問四は論説文。前回と同様,記号選択問題7題,書き抜き問題1題の構成でした。(エ)(キ)は,筆者の考えを問う問題で,文章中で述べられている事実と,それに対する筆者の意見を把握することが求められました。

問五は資料の読み取りの問題。20~30字の記述問題は,対話の内容や指定語句をヒントにして,グラフや表の内容を自分で読み取れたかどうかがポイントになりました。

数学

7題の大問数と各大問の出題領域は前回入試と同様でしたが,大問3,大問7で設問が1題ずつ増えました。記述式の問題と選択式の問題の比率も前回とほぼ同様でした。

問1は計算5題,問2は基本問題中心の小問6題で,前回同様すべて選択式の問題でした。

問3は平面図形2題と,方程式1題が出題されました。平面図形2題は角度計算と面積比で,どちらも補助線を引いて考える問題だったので,難しく感じた受験生も多かったことでしょう。方程式の問題は,定期テストレベルですが,複雑な解き方を指定されているので,解答だけでなく計算過程も考える力が試されました。

問4の関数(ウ)は図形の性質,特徴を利用したり,問5の確率は場合分けや和の組み合わせを考えたりと,多くの知識,技能を駆使する必要がありました。基礎的な分数処理の計算でも,落ち着いて正確に解けるかどうかも正誤の分かれ目となりました。

問6の空間図形(ウ)は,相似や三平方の定理を利用して線分の長さを求める問題で,計算技能は頻出のものですが相似な図形を見つけにくく、解答の難しい問題でした。

問7の(イ)では,点の移動と図形の変化を問う新しい傾向のものが出題されたため,受験生も驚いたことと思います。また,(ウ)の線分の長さの問題は他県でも見られる出題形式でしたが,図形に方程式を利用する,難度の高いものでした。

理科

大問構成,分野ごとの配点は昨年同様。全体として基礎事項を問う問題が増えました。また,指定語句を用いた記述問題も出題されました。

【物理分野】 エネルギーの変換,光の屈折,回路と電流,水圧と浮力からの出題。回路の問題では,電熱線の場合と同様に,電池を直列や並列につないだときの電圧および電流の違いも理解できているかが試されました。

【化学分野】 質量保存の法則,中和,鉄と硫黄の化合からの出題でした。化学変化における質量関係の問題では,比例のグラフを利用し,一方の物質が多すぎる場合を把握する問題もあり,グラフの見方・理解があいまいな受験生は悩んだかもしれません。

【生物分野】 顕微鏡の使い方,食物連鎖,植物のつくり,だ液の実験からの出題。だ液の実験では結果の把握がどこまでできているかが試されました。実験結果からの仮説と検証の設問は恒例のものとなってきましたが,結果のとらえ方,考えの進め方の点で,多くの受験生が手を焼いたのではないでしょうか。

【地学分野】 火山の特徴,寒気と暖気の密度の違い,初期微動継続時間を利用した計算問題,太陽の南中高度の計算などが出題されました。地軸の傾きが26.0度になったときの南中高度に関する問題がありました。これは,公式を覚えていればすぐに解答できるものですが,他県では見られない珍しい問題でした。

社会

出題数が前回より2題減りましたが,完答形式の問題は1題から3題に増えました。

前回は日本の領域の問題がなくなり,今回は時差の計算の問題がなくなるなど,連続して出題されていた題材に変化が見られています。しかし,分野別の出題率は例年通り,地理・歴史・公民内容がバランスよく出題されています。

問1,2は地理からの出題。問1の略地図は掲載のしかたに変化は見られたものの,問われている内容自体はいずれも基本的な内容でした。問2(ⅱ)(ⅲ)の地形図の問題では,同じ地域の縮尺の異なる2つの地形図を用いた問題で,神奈川ではこれまであまり見られなかった内容です。

問3,4は歴史からの出題。今回は資料を用いて考える問題が多いという特徴がありました。さらに,問4(イ)(エ)は資料の読み取りに加えてさらに必要な知識を用いて答えなければならず,難度は高かったといえます。また,並べ替えの問題は5問から2問に減り,あてはまるものを選んでから並べ替える等の必要がなくなりました。

問5,6は公民からの出題です。問5(エ)のように,用語を覚えるだけでなく,自ら考えて答える形式の問題が見られ,やや難しい題材もあったものの,全体的には基礎知識で対応できる内容でした。

特色検査(概要)

特色検査の新形式が導入され,大問4題の出題となりました。

問1と問2が共通問題,問3と問4は学校選択問題という構成でした。

共通問題は,問1が英語の長文読解を中心とした教科横断型問題で問2が日本語の長文読解を中心とした教科横断型問題。問1と問2では主に「論理的思考能力・判断力・表現力」が問われました。

問3と問4を含め、全体を通して教科横断型の思考力が必要とされます。全ての教科を丁寧に学習しなければなりません。また,問題全体の分量が少ない分,制限時間内ですべての設問を解答し,終えられるようなペースと時間配分の練習をする必要があります。

特色検査採択問題一覧
学校選択問題横浜翠嵐湘南柏陽厚木横須賀平塚江南希望ヶ丘
救急救命処置(保健体育)
トウモロコシの生産と消費(社会)
パズル的問題
音の周波数(音楽)

特色検査(学校選択問題)

救急救命処置(保健体育内容等)

感染症の予防や薬の効果の調べ方,一次救命処置の手順などを含む保健体育の内容が盛込まれていました。「論理的思考力・科学的思考力・判断力・表現力・情報活用能力」と,多様な能力が問われました。

トウモロコシの生産と消費(社会)

農産物の貿易に関する統計処理の分野。主に「情報活用能力」が問われました。

パズル的問題

立体の展開図やパズル的問題を含む数学と情報処理の分野。「論理的思考力・判断力・表現力」,「創造力及び想像力」,「情報活用能力」が問われました。

音の周波数(音楽)

「メロディーロード」に関する音楽の分野。主に「科学的思考力・判断力・表現力」と「情報活用能力」が問われました。

令和2年度入試までに準備しておくこと

英語

英文や資料を速く正確に理解する練習,必要な情報を整理して表現する練習,単語や文法事項の学習の3点に力を入れる必要があります。

入試では,選択肢や資料などを含め多量の英文をすばやく正確に読むことが求められます。短い文章からでもかまわないので,継続的に英文を読む習慣をつけましょう。

英作文問題に関しては,文法の基礎を固めておく必要があります。英作文といっても,教科書の内容が身についていれば十分に対応できるものばかりです。英語で場面にあった内容を正確に表現するには,単語の意味や綴りはもちろん,文法の知識が不可欠です。これらの知識は英文を速く読むためにも必要です。日頃から単語や文法の学習を怠らないようにし,英作文の問題にも積極的に取り組みましょう。

国語

まずは漢字ですが,熟語や文の形で練習するようにしましょう。また,助詞や助動詞の識別をはじめとした,文法事項の復習もしっかり行ってください。

小説文では登場人物とその心情の変化などに注意して読む練習,論説文では筆者の主張や要旨をつかむ練習が必要です。

古文については「誰が何をしたのか」を把握しながら読む練習をしましょう。主語が省略されている場合は,自分で補いながら読む必要があります。

記号選択問題が配点の大部分を占めています。神奈川県に限らず,様々な都道府県の入試の過去問題などを使って,問題演習を数多く行うことが得点力アップにつながります。

資料の読み取りでは,文章の内容を理解し,グラフなどの資料から情報を読み取った上で,それを説明する力が必要です。その練習と併せて,記述力を養うために,根拠や考えを一定の長さの文で記述する練習や,自分の考えや文章の要旨をまとめる練習も行いましょう。

数学

前回より難しい問題が増えたと感じた受験生も多かったことと思います。今後も思考力・判断力を試す難度の高い出題が予想されます。定期テストでは学習中の単元が試験範囲になることが多いため,他の単元との融合問題の対策が疎かになりがちです。神奈川県の入試問題や,他の都道府県の入試問題を上手く活用し,出題傾向・形式の変化に対応できる力も磨く必要があります。

関数に図形の知識を使う問題や,立体の切断面や展開図において相似や合同を利用する問題などは頻出の問題ではありますが,練習量が少なければ得点は難しいと思います。早めに入試対策をスタートさせて,多くの問題に触れるようにしてください。

理科

例年よりも平易な問題が増えましたが,覚えた知識を利用する,与えられた条件や情報を整理する,図に表して考える問題等は昨年と同様に出題されています。

問題を解くために必要な知識は基本的な内容であっても,どのように考え,どのように解き進めるかが問われています。知識や公式の使い方,理科の現象についての原理原則を理解し,それに基づく考え方を身につける必要があります。

入試に向けた問題練習後には,丸付けのみで終わらせずに,解答解説を読み,正しい観点で正答できているかどうかを,しっかり確かめることで,より力を伸ばすことができます。テキストやワークは問題練習だけでなく,解法確認にも十分活用するようにしましょう。

社会

問題数は減少しましたが,上記の地形図の問題や資料を用いた歴史の問題など,1問あたりにかける時間が増えていることから,普段から問題を解く際には時間配分に注意する必要があります。教科書の重要語句を順に覚えるだけでは,対応しきれない問題も多く見られました。

今回の出題の特徴として,資料を用いた問題も多いことから,地理や公民はもちろん,歴史でも重要語句と一緒に掲載されている関連資料を,その資料が何に関連したものなのかといったことも一緒に確認すると良いでしょう。

雨温図や地形図など神奈川県で毎年出題され続けている問題もありますが,先述した通り連続して出題されていた題材に変化が見られますので,神奈川県の過去の入試問題を解くだけで満足せず,他の都道府県の入試の過去問題も併せて解き,様々な出題形式へ慣れておく必要があります。