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神奈川県公立高校
平成31年度学力検査の
出題傾向と対策

平成31年度学力検査の出題傾向

平成31年度学力検査問題分析

神奈川公立高校入試における学力検査問題がどのようなものか、平成31年度入試で出題された問題を教科ごとに見ていきます。

英語

全体的に昨年の大問構成と同じ形式だった。

〔1〕短い文や対話を聞くリスニング。小問(ウ)は情報処理の力が求められる出題で、問われる数的情報が昨年より1つ増えた。近年リスニングの形式は頻繁に変わるので、幅広い対策が必要である。

〔2〕文脈に合うように単語を書き入れる問題。単語のつづりが分かることは当然ながら、加えて品詞の理解や文脈把握能力も求められる。

〔3〕文法の知識が問われる適語選択問題。

〔4〕整序英作文。和文がない点と不要語が含まれる点に注意が必要。疑問文や後置修飾など、英文構造が複雑になる文の出題に注意。

〔5〕英作文。文章中に短い英文を書く問題。特に疑問文の出題が多く、応答文との対応に気をつける。また条件の見落としによる失点に注意する。

〔6〕スピーチ文読解。グラフや表と対応させて読む力が問われる。

〔7〕表やグラフなどの資料と短めの英文の読解。昨年から小問は2題に減少したが、その分複雑な情報処理が要求されるようになり、2017年度入試以前の形式より難化している。

〔8〕会話文。今年のテーマはハザードマップについて。人物一人ひとりの情報を整理して読み進めないと内容一致で失点を招く。また、会話の内容に即して作成したハザードマップがどのような形になっているかを選択する問題が出た。昨年の出題テーマほど抽象的ではないが、こちらも旧形式より難化している。

国語

〔1〕漢字の読み書き・文法(「で」の識別)・俳句の鑑賞文〔2〕古文〔3〕小説〔4〕論説〔5〕資料の読み取りの大問5題構成。

〔1〕の漢字の出題が記号選択問題であることは変わらず。「彫塑」の読みが難しかった。

〔2〕古文は漢文を元にした文章だが、選択肢を参考にして読み解くことが可能だった。

〔3〕小説は、すべて記号選択問題で、比喩や、情景描写と登場人物の心情の関係を読み取る出題が目立った。

〔4〕論説では、昨年度と同じく要約文の空欄補充が出題されたが、昨年度より取り組みやすい出題であった。

〔5〕資料の読み取りに関しては、複数の生徒の発言をまとめるという出題傾向は例年と同様で、文章全体を把握する力が問われた。また、表やグラフから読み取った内容に具体的に触れなければならない指定があるが、制限字数が20字から30字と少なめなので、言葉を吟味してまとめる力が必要とされた。

数学

難易度の高い問題が増えており、全体的には難しいと感じた受験生が多かったはずである。難関私立高校の過去問などで難問を演習していた受験生にとっては、その経験が活かせる問題となっていた。

昨年度は、証明の配点が6点だったが、これが2点に変わり、二等辺三角形の発見に関する問題が追加された。さらに、昨年度よりも記号選択の配点が減り、記号選択ではない〔3〕の問題数が増えた。

問3で出題された2題の平面図形は、角度計算と面積比で、どちらも補助線を引いて考えるものだった。どんな問題を使って入試対策をしてきたかの経験の差が出たといえる。また、問4の関数は計算力の高さだけではなく、例年同様に、図形の性質を十分に使いこなせるかが試された。

対策は次の通りである。
①時間配分を意識して過去問演習を行う
②毎年様々な変更があるため問題傾向を決めつけてはいけない
③公立高校入試の問題は充分に練習したうえで、私立高校入試の過去問についてもしっかり学習する必要がある

理科

大問1~4が物理・化学・生物・地学の小問集合、大問5~8が物理・化学・生物・地学のテーマ別問題という構成は例年通り。

難易度に関しては、昨年に比べて易化したといえる。2~3題失点しそうな問題はあるものの、単純な知識を問う問題が多くなり高得点がとり易かった。ただ、神奈川の場合難易度は安定せず、急に難しくなることもあるので油断は禁物である。

今後の対策としては、
①まず神奈川県の過去5年の入試問題を解き、出題形式や傾向を知ること
②『県模試過去問』などの神奈川タイプの問題をすべて解ききること
③その上で他県や難関国私立高校の過去問のうち、思考力を問う問題を多く解くこと
④実験・観察結果から考察することや、ある仮定を証明するためにどのような実験が必要となるかといった科学的な考え方を身につけること
が必要だろう。

社会

大問は例年通り6題だが、内容は今年度も多様だった。小問数は34題で昨年度より減った。論述は6字以内で答える設問1題しか出題されなかった。

記述減少の主な原因は、答案開示による影響であり、今後もこの傾向は続くものと思われる。

問1・2は地理。地図、地形図など頻出の傾向は変わらないが、歴史との横断型思考の問題があった。

問3・4は歴史。政治史は、出来事の名称だけでなく、その内容も理解しておくことが求められる。また社会・経済史、文化史も抜かりなく勉強すること。

問5・6は公民。知識だけでなく、意味や関係性をよく理解した上で答える出題が多かった。地理・歴史・公民各分野に資料読み取り問題が用意されている。

すべての分野にわたって、表面的な暗記ではなく原理やしくみを理解することが求められる。

特色検査(概要)

特色検査は、昨年度から大きな変更点があった。県立高校では、「共通問題」と「共通選択問題」を採用する高校が7校あり、どの高校も大問4題の構成であった。

大問1・2が「共通問題」、大問3・4が、各校で大問2つを選ぶ「共通選択問題」であった。結果的に、複数の学校で同じ問題となった。
※下記一覧を参照

なお、横浜国際高校など一部の高校で実技を課したり、横浜市立サイエンスフロンティア高校は高校独自の特色問題を採用したりするなど、高校によっては異なる問題を課したところもある。

共通問題は、問1が英語の長文読解を中心とした教科横断型問題で問2が日本語の長文読解を中心とした教科横断型問題。

問1と問2では主に「論理的思考能力・判断力・表現力」が問われた。問3と問4を含め、全体を通して教科横断型の思考力が必要とされる。全ての教科を丁寧に学習しなければならない。

また、問題全体の分量が少ない分、制限時間内ですべての設問を解答し、終えられるようなペースと時間配分の練習をする必要がある。

表20.特色検査採択問題一覧
学校選択問題横浜翠嵐湘南柏陽厚木横須賀平塚江南希望ヶ丘
救急救命処置(保健体育)
トウモロコシの生産と消費(社会)
パズル的問題
音の周波数(音楽)

特色検査(学校選択問題)

救急救命処置(保健体育内容等)

感染症の予防や薬の効果の調べ方、一次救命処置の手順などを含む保健体育の内容が盛込まれている。「論理的思考力・科学的思考力・判断力・表現力・情報活用能力と、多様な能力が問われた。

トウモロコシの生産と消費(社会)

農産物の貿易に関する統計処理の分野。主に「情報活用能力」が問われた。

パズル的問題

立体の展開図やパズル的問題を含む数学と情報処理の分野。「論理的思考力・判断力・表現力」、「創造力及び想像力」、「情報活用能力」が問われた。

音の周波数(音楽)

「メロディーロード」に関する音楽の分野。主に「科学的思考力・判断力・表現力」と「情報活用能力」が問われた。