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英語

問題の構成は例年どおり大問4題、小問23問の出題です。英文記述の問題は今年度もリスニングの英問英答と英作文の2問が出題されました。

[1]はリスニング問題で、短い対話や案内を聞き、その内容に関する質問に答えるものです。選択肢から、どのようなことについて質問されるか、選択肢になっている情報はどこで出てくるかを想定しながら聞くことが求められます。

[2]は資料を伴った短い対話文やEメールを読んで答える問題で、最後に英作文が出題されています。英作文は、最近感動したことについて、条件をもとに3つの英文で書く問題でした。資料を伴う対話文を読んで答える問題については、下部に詳細の解説も載せています。

[3]は対話文読解の問題です。他者の異なる視点やアドバイスが自分たちの助けになることをテーマとした対話文でした。下線部が示す内容やその理由について、前後でどのように話されているか理解する必要がありました。

[4]は長文読解の問題です。例年通り、本文の内容に関する問題と、本文の流れに沿って4つの文を並べかえる問題が出題されました。文章全体から解答に必要な箇所を探す必要がある問題が多いため、時間がかかる傾向にあります。各段落の場面を把握しながら読み進めるとよいでしょう。

問題解説

  • [中3内容] [2]-1 対話文と資料を読んで答える問題

    Yutaと留学生のOliverが、Oliverの両親を連れて空港から家に帰るまでの経路と昼食の予定について話している場面です。(A)を含む一文はLet’s take the bus to (A).「(A)へのバスに乗りましょう。」です。前のYutaの発言でWell…, if we choose the faster way, we will have to take a train after getting off the bus.「ええと、もしより速い方法を選んだら、私たちはバスを降りたあと電車に乗らないといけないでしょう。」とあり、それに対してOliverがMy parents will bring heavy baggage. We don’t have to take the faster way.「私の両親は重い荷物を持ってくるでしょう。私たちはより速い方法を取る必要はありません。」と答えています。よって、Ⅰ-1の表から、100分かかっても乗り換えの必要がないIcho Station行のバスに乗ることがわかります。選択肢アとウに絞り込むことができます。(B)は前のOliverの発言They both like ramen. Let’s have ramen at the terminal that my parents will arrive at.「彼らは両方ともラーメンが好きです。私の両親が到着する予定のターミナルでラーメンを食べましょう。」とあり、最初のOliverの発言でYes, they will arrive at Terminal 2…「はい、彼らはターミナル2に到着するでしょう。」とあることから、Ⅰ-2の表よりRamen Restaurant Bに行くことがわかります。よって答えはウとなります。

  • [中2内容] [2]-2 対話文と資料を読んで答える問題

    YutaとOliver、来日中のOliverの両親の計4人が、歌舞伎劇場への行き方について話している場面です。起点となる地下鉄の駅(Subway Station)はⅡの地図の右下にあります。(A)は前のYutaの発言Yes. Let’s go to Kaede Department Store.「はい、かえでデパートに行きましょう。」をⅡの地図と照らし合わせましょう。地下鉄の駅を出てHinode Streetを直進して左手にあるのはAyame Flower Shopとわかり、選択肢をアとウに絞り込むことができます。(B)はYutaの発言After shopping, we’ll go along Kaede Street to Sumomo Fruit Store.「買い物のあと、私たちはすももフルーツストアまで、かえで通りに沿って行きます。」から地図と照らし合わせると、Kaede Department Storeを出てKaede Streetに沿って進むと、Sumomo Fruit Storeは右手にあることがわかります。よって答えはアとなります。

  • 出題一覧表
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数学

問題構成、総設問数、難易度は例年通り。大問1~5の配点はそれぞれ46点、12点、15点、17点、10点。

[1]は計算と方程式、箱ひげ図、円周角、作図の問題でした。箱ひげ図から読み取れることがらは頻出パターンなので経験したことのあるものだったと思います。

[2]は図形の面積を文字式で表す問題でした。丁寧に状況を整理すれば取りかかりやすい問題でした。

[3]は関数のグラフと図形の問題。問3は点Pのx座標を文字でおくことから2つの三角形の面積をその文字を使った式で表す頻出問題ですが、計算量が多いので正確さが求められる問題でした。

[4]は特別な四角形を用いた角度の表現と相似な図形の証明、線分比の問題でした。

[5]は空間図形の問題でした。問1の角度を答える問題は、△ABPが二等辺三角形になることに気づくことができれば、迷いなく答えることができたと思います。

問題解説

  • [中2内容] [2]問2 図形の面積を文字式で表す
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  • 出題一覧表
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国語

例年と同様、大問5題、小問25題の構成で、記述型の設問は漢字と200字作文のみでした。

[1]・[2]は漢字の読み書きです。書きは小学校、読みは中学校までの学習範囲からの出題でした。

[3]の文学的文章は、登場人物が高校生でなじみやすい文章でしたが、登場人物が多く、それぞれの発言や行動が誰のものなのかをきちんととらえて読み進める必要がありました。例年通り、全て記号選択型の設問で、表現に関する問題1問でそれ以外は登場人物の様子や心情の読み取りに関する出題が中心でした。いずれの問題も傍線部の周辺を丁寧に読めば正答にたどり着けました。以下の解説も参照してください。

[4]は「互いの思いを一致させること」にまつわる論理的文章でした。設問構成はほぼ例年通りで、傍線中の言葉の説明を問うものや段落の関係を読み取るものが出題されました。傍線の近くに書かれた内容を正確にとらえれば正答を導ける問題が多かったです。
問5では、文章内容をふまえ、「互いの思いを一致させること」というテーマで体験や見聞を含めて自分の意見を書く200字の作文が出題されました。

[5]は古典を引用した複数の文章を読む問題で、今年は「和歌」についての対談と文章でした。今年もA~Cの三つの文章があり、必要な情報を素早くとらえる必要がありました。都立入試では頻出の、発言の役割を問うものや、本文の語に相当する古文の原文を問うものも出題されました。問5では、4箇所に引かれた傍線部のうち、意味・用法が異なるものを選ぶ設問が3年連続で出題されました。

問題解説

  • [3]問1 文学的文章

    表現に関する問題です。選択肢と傍線部を丁寧に照らし合わせましょう。

    アは、本文で「ISSの光が……視界から消え」と書かれているように静かに消えてゆくのと対照的に、「大声で凛久が叫んだ」という新たに目立つ事柄が描かれていること合っています。また、本文の傍線(1)の後で、「転校、したくねえーなーー!」と言っていることから、「転校を受け止めきれず衝動に駆られる」の部分も合っています。よって、アが正答です。
    イは、「ISSの光」、「飛行機の光」の順で描かれてはいますが、もう一度「ISSの光」についてふれられてはおらず、「交互」とはいえないため誤りです。
    ウは、星座と飛行機の光のことは書かれていますが、それらの「強弱の変化」について描かれているわけではないので誤りです。
    エは、「ISSの光」と「凛久の行動」が「順序立てて」描かれてはいますが、そうすることで凛久の感動を表しているわけではないので誤りです。

  • [3]問2 文学的文章

    亜紗の様子をとらえる問題です。設問に登場する亜紗、深野、凛久の発言などをおさえましょう。

    凛久が転校したくないと叫んだことに対して、亜紗は「耐えようとしたけど、――ダメだった」という描写から、悲しくて泣いていることが読み取れます。その後、「一年生の深野」が「凛久先輩も泣いてません?」と発言したことに対し、亜紗は普通は「指摘しないであげるのが礼儀」なのに、後輩の深野があえて指摘してしまうことを「すごいなぁ」と思っています。そして亜紗は傍線(2)のように無性におかしく感じ、泣きながら笑ってしまいます。
    これらの流れをふまえると、ウが合います。
    アは、「感情的になってしまった自分のことを恥ずかしく思っている様子」が誤りです。イは、「悲しみがすっかり晴れている」が、誤りです。エは、「心配するほど悲しむ必要はないのかもしれない」が誤りです。

  • 出題一覧表
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理科

出題形式・出題数はほぼ例年通りで、全小問数は25で1題4点でした。何度も読み直すことが無いように、読みながら内容を把握し、必要な情報を覚え、まとめる要領の良さが必要です。

[1]の小問集合では、原子・分子、電力量、動物の分類、気象観測についての問題でした。

[2]は、例年通りレポート形式でテーマは岩石に関してのものでした。化石、還元による質量変化、光の屈折、生物のつながりが問われました。

[3]は、図から夏であることを判断し、北半球では緯度が高いほど昼の長さが長くなることの理解が必要でした。

[4]は、植物のはたらきを調べた実験の問題でした。結果から得られる情報の整理や判断を正確に行う必要がありました。

[5]は、水溶液をテーマにした問題で、水溶液から溶質すべてを取り出すために、溶質と溶媒の比率を用いて計算する問題がありました。

[6]は、力学的エネルギーや力のはたらき、運動に関する問題でした。実験と結果をしっかりと読み込むことで、各設問は比較的容易に解くことができました。

問題解説

  • [中1内容] [5]<実験2> 水溶液 物質の溶解度

    溶解度曲線を用いた問題では、実験で使われている水の質量に気をつけましょう。
    今回の実験では水の質量が5gでした。

    5gの水に溶質として、硝酸カリウム、塩化ナトリウムそれぞれ3g加えています。
    溶解度曲線で確認する際には、水を100gに合わせ、溶質は3g×(100g÷5g)=60gとしてグラフをみるなどしましょう。
    溶解度曲線を見る際には、溶質60gでみていきます。
    資料の溶解度曲線から27℃の水では、硝酸カリウムは約42g、塩化ナトリウムは約38g溶けることが分かり、試験管A、Bともに溶け残りが出ることが分かり、結果2の表と一致します。
    また、水の温度を38℃まで上げたときに、硝酸カリウムの溶解度が60gとなり、ここですべて溶けることが分かります。塩化ナトリウムの溶解度はほとんど変化がありませんので、溶け残ったものは溶け残ったままです。

  • [中1内容] [5]〔問2〕 水溶液

    試験管Aの温度を上げていったときの水溶液の濃度の変化です。

    試験管Aには水5gと硝酸カリウム3gが入っています。
    この硝酸カリウムは27℃のときには解け残りがあり、38℃ですべて溶けます。
    よって、水溶液の濃度は、27℃から38℃までは大きくなりますが、38℃以上では変化しません。
    よって、選択肢エが正解となります。

  • [中1内容] [5]〔問3〕 水溶液

    溶解度曲線をみると、塩化ナトリウムの溶解度はほとんど変化していないことが分かります。
    正答 「(資料から、)塩化ナトリウムの溶解度は、温度によってほとんど変化しないものであるため。」

  • [中1内容] [5]〔問4〕 水溶液

    0.35gの水溶液からすべての溶質を取り出すので、0.35g中の水をすべて蒸発させればよく、この水の質量を求めればよいことになります。

    「試験管Bの水溶液の温度が20℃のときと同じ濃度の塩化ナトリウム水溶液が0.35gあった場合」を考えますが、このとき、試験管Bでは、27℃で溶け残りがあることから20℃の水溶液は飽和水溶液であることが分かります。つまり、20℃のときの塩化ナトリウムの飽和水溶液を考えることになります。
    まず、溶解度曲線から20℃の飽和水溶液は、水100gに対して塩化ナトリウムはおよそ38g溶けていることが分かります。よって、水溶液は138gとわかります。

    ここで、与えられた塩化ナトリウム水溶液(飽和水溶液)は0.35gでそのうちの溶媒(水)の質量をxとすると、
    0.35:x=138:100となります。
    これを解いて、0.253・・・、よって選択肢ウの約0.25gとなります。

  • 出題一覧表
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社会

問題構成は大問6題、総小問数20題、全問題の配点が5点と、昨年度から変更はありませんでした。

[1]は小問集合。問1は地形図と写真を照らし合わせて、指定された各地点周辺の様子を考える問題でした。

[2]は世界地理。各設問で地域ごとの農業の知識が求められました。

[3]は日本地理。問3は富山市が目指すまちづくりについて記述する問題でした。現状と将来の資料を比較して、「コンパクトなまちづくり」とは何か理解することを求められました。

世界地理と日本地理は、下部に詳細の解説も載せています。

[4]は歴史分野。並び替えや資料中の指定された期間のできごとを選ぶ問題が多く、用語そのものだけでなく、時代や年号まで覚えていることが求められました。

[5]は公民。問4は成年年齢の引き下げに関して、若年者に対してどのような期待をしての改正だったのかを、資料をもとにまとめる記述問題でした。

[6]は総合問題。問1はヨーロッパやアフリカの国を、その国に滞在した夏目漱石などの日本人の活動も手がかりに求める問題でした。「市民革命」や「ギニア湾」といった用語でも解けますが、文化史の知識も正確にあると解きやすかったでしょう。

問題解説

  • [中1内容] 大問2 問1 世界地理

    略地図中のA~Dから、Ⅰの文章で述べてられている国の首都とその雨温図を答える問題です。「コーヒー豆の原産地」から熱帯に位置する国と判断でき、AかCに絞り込むことができます。また、「首都は標高約2350m」からAのタイではなくCのエチオピアと判断できます。Ⅱの雨温図も「標高約2350m」、「各月の平均気温の変化は年間を通して小さい」から高山気候の選択肢イを選びます。

  • [中1内容] 大問2 問2 世界地理

    略地図中のP~Sを米・小麦・とうもろこしの生産量、農業と食文化の様子から資料に当てはめる問題です。P(メキシコ)は「とうもろこしの粉から作った生地を焼き、具材を挟んだ料理などが食べられている」から選択肢ア、Q(フィジー)は国土面積がとても小さいため農業は大規模にできないことから選択肢ウ、R(バングラデシュ)は、アジアの熱帯地域が米の生産量が多いことに着目し選択肢エ、S(イタリア)は地中海に面していることから地中海式農業が行われていると判断し「沿岸部では柑橘類やオリーブなどの栽培が行われている」に着目し選択肢イとなります。

  • [中2内容] 大問3 問1 日本地理

    略地図中のA~Dいずれかの県の自然環境と第一次産業の様子を答える問題です。A(秋田県)は「夏に吹く北東の冷涼な風による冷害の影響を受けにくい」、「稲作に適しており、銘柄米が生産されている」から選択肢ウとわかります。「夏に吹く北東の冷涼な風」とは「やませ」のことで、東北地方の太平洋側に冷害をもたらします。B(静岡県)は「北側の3000m級の山々が連なる山脈(赤石山脈のことです)」や「国内有数の茶の生産量」から選択肢イ、C(奈良県)は「南東部は、季節風の影響などにより国内有数の多雨地域」や「古くから林業が営まれ、高品質な杉などが生産されている」から選択肢ア、D(鹿児島県)は「二つの半島に挟まれた湾の中に位置する島や北東側の県境に位置する火山」や「複数の離島」、「肉牛などの飼育頭数は国内有数」から選択肢エと判断できます。

  • [中2内容] 大問3 問2 日本地理

    Ⅱの文章で述べている「2020年における人口に占める他の都道府県への従業・通学者数の割合は、1割以上」からⅠの選択肢はアと判断できます。「中央部及び北西部に人口が集中」からこの付近に都市部が広がると判断できるので、当てはまる都道府県はW(千葉県)です。千葉県は他の都道府県(特に東京都)への従業・通学者数が多くなっています。イは人口が少なく、他の都道府県への従業・通学者数も少ないことからZ(広島県)。ウはアに次いで他の都道府県への従業・通学者数が多いことから、大都市に近い県と判断できY(兵庫県)。エは製造品出荷額の多さからX(愛知県)と判断できます。

  • 出題一覧表
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入試で合格をつかむためには、まず調査書の内申点をとれるように中学校の定期テストできっちり点数をとり、宿題や課題などの提出もしっかりとおこなっていき、前向きな姿勢で中学校の授業に取り組む必要があります。臨海セミナーでは常にその重要性について伝えながら学習指導にあたってまいります。 また、通常授業・宿題管理・小テスト管理・進路指導・進路情報提供・入試対策においても、できる限りの応援をさせていただきます。

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