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2021年(令和3年)5月号_私立高校入試制度(神奈川、東京、千葉、埼玉)

公開日:2021年05月02日

私立高校入試の制度を知ろう

「ペンギン入試レポート令和3年5月号(私立高校入試版)」では、私立高校の受験の制度についてまとめました。私立高校の受験は、公立高校を第一志望とする場合にも併願として考えておくことが不可欠です。私立高校を第一志望に考えている方はもちろんのこと、公立高校を第一志望に考えている方も、是非ご一読いただき、今後の志望校決定にお役立てください。

【1】私立高校を受ける意義について

近年、公立高校受験において、当日の入試得点を重視する傾向が強まっており、内申だけでは結果を想像することが非常に難しくなってきています。また、近年の経済情勢により公立高校人気が高まっており、募集人員に対する受験者数も増える傾向にあります。入試では、ある程度内申に余裕がある生徒でも、当日の体調等によって、普段の力を十分に発揮できない場合も考えられます。したがって、公立高校が第一志望であっても、必ず併願の私立高校を受験するようにしてください。また、予め私立高校に合格していることで、気持ちに余裕を持って第一志望の公立高校入試を迎えることができます。

以前は入学金や学費など高いイメージがあった私立高校ですが、現在は国や県の奨学金制度が整っており、ご家庭の負担も大きく軽減されるようになっていますので、必ず私立高校の併願をお考えください。

【2】私立高校の入試形態について

私立高校の入学試験には、大きく分けて「推薦」と「一般」があります。「一般」には専願(単願)・併願・オープン(フリー)があります。千葉・埼玉では、「推薦」が専願(単願)・併願のように分かれることもあります。神奈川・東京の一部では「書類選考」という特別な制度を採用している私立高校もあります。

また、「推薦」および「一般」の専願(単願)・併願では多くの学校が「入学相談制度」という特徴のある選抜方法をとっています。

※入学相談制度とは
私立高校側があらかじめ内申点を用い、合否の基準の目安を提示する制度です。毎年、9月15日から10月31日頃に私立高校より公立中学校に学校成績等による相談基準が提示され、それを受けて公立中学校が進路指導を行います。

中学を通して高校に相談を行い、高校から公立中学校に○×△を返答します。この○というのは「基準に達しており欠席日数にも問題がないので合格の可能性が高い」という意味であり、×は「基準に達していないので合格が難しい」、△は「基準に少し足りないので当日のテスト次第」というような意味となります。

※埼玉の私立高校での入学相談について
埼玉の私立高校では、入学相談を他県のように公立中学と高校間でおこなうのではなく、ご家庭と高校間で直接おこないます。そのため、学校説明会や個別相談会などで、生徒・保護者が高校の先生と直接相談できる機会を持つことが大切です。その際には、内申だけでなく「北辰テスト」等の模擬テスト結果も学力を判定するうえで重要となります。

【3】私立高校の受験日程について

神奈川・東京・・・推薦が1月中に行われ、2月に一般試験が行われます。
千葉・・・前期・後期の2種類の日程があります。前期は1月17日、後期は2月15日より開始します。公立高校の入試が1本化されたことに伴い、後期入試を実施しない高校が増えました。
埼玉・・・多くの学校が1月から試験を始めます。ほとんどの学校で2~3回の受験日程を設定しており、受験の形態によって日程が異なります。自分の受験形態に合わせて受験する必要があります。1月で受験を終える高校もあります。

【4】私立高校のそれぞれの入試形態について

① 推薦につい
主に内申点で選抜をし、さらに面接などの学科試験以外での選抜で行われます。しかし、最近では「適性検査」という名称で実質的な学力検査を実施する高校もあります。

※難関校の推薦入試
早慶の附属校・青山学院などをはじめとした難関校でも推薦入試が行われています。しかし、上記のように内申点を主として選抜されるわけではありません。基準はあくまでも出願資格となり、その後さらに選抜が行われます。ただし、公立最上位校は結果的に高い内申点を要求されるのに対し、たとえば早稲田大学高等学院は出願基準が40(3年9科目内申)で、身上書を基にした30分にわたる面接で合否が決定します。内申点での出願基準を満たしている場合は、ぜひチャレンジしてみてください。また、慶應義塾や早稲田実業は、スポーツや文化活動で実績を残すことが、推薦入試の出願条件になっています。内申点の基準もありますが、部活動などで成果を残すことができた場合も、合格の可能性は高まります。

② 専願(単願)について
受験する私立高校を第1志望としている場合で、他の高校は受験できません。12月中旬に中学校と私立高校の間で調査書の評定をもとに入学相談が行われます。

③ 併願について
他校を第1志望としており、第2志望以降で受験する形態です。専願と同様に12月中旬の入学相談が行われます。しかし、この入学相談制度が適用されるのは公立高校を第1志望とし、第2志望でその私立高校を受験する場合に限られるケースが多く、入学相談基準(調査書の内申の評定)が専願よりも比較的高く設定される傾向にあります。

④ オープン(フリー)入試
内申等による事前の入学相談がなく、入試当日の得点で合否を決定する方法です。多くの難関高校が導入している入試形態となります。入試問題の難度は非常に高く、より一層の努力が必要です。臨海セミナーでは、このオープン入試制度を利用し、入試日程を考慮しながら複数校の受験をする生徒が増加しています。公立高校より難度の高い私立高校をチャレンジしたい受験生や、自分自身の実力を試したい受験生はぜひ積極的にチャレンジしてみるとよいでしょう。

【5】各私立高校の入学相談基準について

入学相談基準については毎年見直しが行われ、必要に応じて変更されます。令和4年度入試の基準につきましては、秋以降に首都圏のほぼ全ての高校の基準が判明しますので、その時期の進路指導でお伝えします。

入学相談基準における加点制度や条件について
入学相談基準には①「加点制度」や②「条件」を設けている高校があります。

①加点制度の代表的なものには次のようなものがあります。

1.英語検定・数学検定・漢字検定などの検定取得
 (3級以上が基本。中には準2級以上や2級以上で設定している私立高校もあり)
2.出席状況
 (中学3年間皆勤など)
3.部活動の実績
 (市大会・県大会・全国大会などの団体・個人の実績や部長・副部長など)
4.生徒会活動
 (生徒会長・生徒会副会長・書記など)
5.委員会活動
 (委員会委員長や副委員長など)
6.課外活動
 (ボランティア・社会福祉活動など)
7.説明会などに参加
 (学校主催の説明会やイベントなど。参加状況に応じて加点する学校もある)

例えば、加点項目を満たしていれば、9科基準の内申点に+2、5科基準の内申点に+1などをするという制度です。入学相談制度を採り入れているすべての私立高校で設定されているわけではありませんが、多くの私立高校で設定されています。

②条件とは、各高校が定めた条件に該当すると受験資格に満たないというものです。
こちらも多くの私立高校で設定されており、代表的なものは以下のものです。

1.欠席日数
2.遅刻・早退日数
3.特定の教科で5段階の評定で1や2がある場合
 (上位校では評定3がある場合は不可という私立高校もあり) 
4.説明会などへの不参加
 (出願条件の一つに説明会などへの参加を掲げている高校がある)

【6】内申の重要性

先述のように、中学校の進路指導は私立高校が設定している入学相談基準を目安におこないます。そのため、内申点に加点をしたうえで入学相談基準に達しない場合は、その高校の受験を取りやめるように勧めてくることも多くあります。中学校では全員が確実に合格できることを念頭に進路指導を進めます。そのため、少しでも合格可能性が低いところは避ける傾向にあります。

また、「条件」の項目で述べたように、欠席・遅刻・早退が多いことや評定に1、2があることで出願に不利になることもあります。

このように、内申点は公立高校受験だけでなく、私立高校の受験にも非常に重要なものです。普段から、学校での授業態度や提出物等に気をつけ、小テストや定期テストできちんと得点できるよう意識する必要があります。

【7】私立高校による学校説明会・イベントについて

私立高校では、受験生・保護者を対象とした学校説明会やイベントを行っています。高校の指導方針や在校生の雰囲気を知る絶好の機会ですので、私立高校が第一志望の方はもちろん、公立高校を第一志望と考えている方も、早い段階から積極的に参加し、3年間通いたいと思える学校を志望校とするようにしてください。なお、高校によっては学校説明会への参加が加点や出願条件となっている場合もあります。

各高校の学校説明会やイベントについては、今後のペンギン入試レポートでもお伝えしてまいります。

【8】令和4年度受験に向けて

入試で合格をつかむためには、まず調査書の内申点をとれるように、日々学校の定期テストできっちり点数をとり、宿題や提出物などの提出もしっかりとおこなう等、前向きな姿勢で学校の授業に取り組む必要があります。臨海セミナーでは常にその重要性について受験生の皆様にお伝えしながら学習指導にあたっております。

志望校合格という15歳の一つの大きな夢の実現に向けて、常に正確かつ豊富な入試情報をもとにした進路指導、出題傾向をおさえた授業、やる気を引き出す授業を行ってまいります。今後とも、臨海セミナーの学習指導・進路指導にご期待ください。

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