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英語(学校選択問題)

大問の構成や問題数は昨年度と同様、大問4問、小問総数31問で、読解問題を中心に構成されていました。

大問1はリスニング問題。英語で放送される設問指示を聞き取る形式は例年通りでした。

大問2は会話文読解で、「ピクトグラム」に関する題材でした。会話文内容についての英問英答や、複数の会話文の広い範囲から内容に合うものを選ぶ問題もあり、速く正確に読む力が求められました。

大問3は長文読解。「人工冬眠」をテーマとした文章で、昨年度より難化したと感じる受験生もいたでしょう。適文選択や英問英答など、様々な形式の問題が出題され、本文の空欄にあてはまる文を選ぶ問題では、接続詞や代名詞、前後の文脈を理解したうえで解答する必要がありました。問1・問4は、下部に詳細の解説も載せています。

大問4は英作文。「キャッシュレス決済をより活用すべきか」について自分の考えを書くものです。実生活にかかわりのある身近なテーマで、受験生にとっては答えるべき内容を想像しやすかったかもしれません。40語以上50語程度と語数が多いため、平易でかまわないので自信をもって使える単語や文法を用いて書くことを心がけましょう。

問題解説

  • [中3内容]大問3 問1 読解問題

    空欄に適する語を選択肢から選び、正しい形に変えて入れる問題です。文意を理解しているかだけでなく、正確な文法知識も問われています。 まずAを含む一文は、The team stimulated a part of the mouse brain ( A ) the “Q neuron.”「チームはねずみの脳の一部を刺激した、( A )“Qニューロン”」という文で、ねずみの脳のうちQニューロンという部位を刺激したと推測できます。このことからa part of the mouse brainがthe “Q neuron”と呼ばれるという内容にすればよいとわかります。「~と呼ばれる」はcallの過去分詞calledで表すことができます。後ろから名詞(brain)を修飾しています。 Bを含む一文はAs a result, we may be able to save more ( B ).で、Bには他動詞saveの目的語として名詞が入るか、moreを名詞としてとらえ文末に副詞が入ると考えられます。As a result「その結果」とあるので、その前の文を見ると、「人工冬眠を使えば、深刻な状況にある人が生き延びるのを助けることができる。」という内容があります。また、同じ段落では「深刻な状況」の例としてa low-oxygen environment「低酸素の環境」とあります。このような「深刻な状況」で「より多くの命を助ける」ということからlifeの複数形livesを入れればよいとわかります。

  • [中3内容]大問3 問4 読解問題

    与えられた質問は「Mr. Sunagawaによると、私たちが人工冬眠を使うと星間旅行が可能になるのはなぜか。」という内容です。Mr. Sunagawaの発言などからspace travelのようなキーワードを探しましょう。6段落目にこれらの単語があります。If you are in hibernation while you travel in space, by saving water and food, it will be possible to travel beyond the stars.「宇宙旅行中に冬眠していれば、水と食料を節約することで、星を越えて旅行することが可能になるだろう。」という文から、冬眠をすることで「水と食料を節約できる」という内容を書けばよいとわかります。

  • 出題一覧表
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数学(学校選択問題)

大問1は独立小問集合で全10題、箱ひげ図では読み取ったことを説明する問題がありました。

大問2は作図と証明。作図は比較的平易。証明は頻出パターンの合同の証明を利用したものでした。

大問3は関数。場合分けをして考える場面では、図にかきこむことで理解の助けになりました。

大問4は場合の数と確率についての問題でした。最後の設問は、直前の設問が余事象になっていることに気付けると正解できたでしょう。

大問5は空間図形容器と水の体積について出題されました。平易な問題と難度のとても高い問題で構成されていました。

問題解説

  • [中1内容] 大問1(5) 規則性
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  • [中2内容] 大問2(2) 証明
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  • 出題一覧表
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国語

例年同様、大問5題、小問25題の構成でした。

大問1は小説文でした。登場人物それぞれの心情を丁寧に読み取ることが求められました。

大問2は漢字の読み書き・文法・熟語の構成(成り立ち)・スピーチ原稿の内容について解答する問題でした。問4(1)は原稿内の空欄に当てはまる文を、文脈が通るように並べ替える新傾向の問題でした。各選択肢の文頭に置かれた指示語や接続語から流れをくみ取ることができれば、正答を導けたでしょう。

大問3は論説文でした。「モノ」の価値と所有に関する文章でした。複数の具体例や学者の論を挙げながら展開される論理を、的確に捉える必要がありました。出題形式自体は昨年度と同様であるものの、問2・5のような、指定語句を手がかりに本文内容をまとめる記述問題では、空欄の前後と合うように本文内容をまとめ直す必要があり、難度が高かったかもしれません。下記の解説も参照してみてください。

大問4は古文でした。全体として平易な表現で記述され、内容にも一貫性のある文章でした。現代語訳を手がかりに、発言が誰のものなのかをとらえ、登場人物の行動やその意図を正しく理解する必要がありました。

大問5は作文でした。与えられたテーマに対して、複数のグラフを見ながら自分の考えを書くものです。「自分の体験」をふまえて書くよう指示があるので、書き出す前に内容を一度整理するとよいでしょう。

問題解説

  • 大問3問2 論説文 

    傍線②を説明した文の空欄に当てはまる内容を記述する問題です。指定語句として「商品化」と「付帯」が与えられているので、それらが本文中のどこで述べられているかを探します。「商品化」は第6段落に、「付帯」は第7段落で述べられています。第6段落3~5行目「ひとたび……帯びることもある」と、第7段落1行目の「元の所有者……付帯するという考え方」をまとめて解答をつくりましょう。

  • 大問3問5 論説文

    傍線⑤のように筆者が考える理由を記述する問題です。指定語句として「媒介」と「帰属」が与えられているので、それらが本文中のどこで述べられているかを探します。「媒介」は第13段落に、「帰属」は第11段落で述べられています。第13段落1~2行目で「元の所有者……前提をすると」とあるので、こちらを先に述べた上で、第11段落4行目「そのモノは……帰属している」と流れを汲み、空欄の前後の言葉に合うように内容をまとめればよいでしょう。「財を譲り受けた者たち」を「受け手」という本文中の別の言葉に置き換えるなど、指定された字数に収める力も求められます。

  • 出題一覧表
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理科

大問1が小問集合、大問2~5が実験と観察に関する設問という例年通りの構成。

大問1は堆積岩、光の屈折、生殖やエネルギーの変換などに関する問題。各単元の基本事項をおさえてあれば正解できる内容でした。

大問2は天体。月の公転、月食、月の大きさと明るさといった、月に関しての問題です。暗記だけでは難しい、図や文章をしっかり読み取ることが必要とされる問題がいくつか出題されました。

大問3は動物の分類。基本的な知識を問う問題が多く、応用的な問題も比較的すぐに答えを出せる内容でした。

大問4は化学変化。問2は平易な計算問題でしたが、ケアレスミスでの失点に気を付けたい問題でした。問3では実験後の質量に注目することで、複雑な計算を回避できたかで差が付きました。問4は化学反応式を書く問題です。炭酸水素ナトリウムの分解の化学反応式を逆にするだけであることに気付ければ、容易に書くことができました。

大問5は位置エネルギーと運動エネルギー。長めの記述や実験結果の考察は難易度が高いように見えますが、位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わりに関する基本知識を書くことができれば得点になりました。

問題解説

  • [中2内容] 大問4 問1 炭酸水素ナトリウムの分解と炭酸ナトリウム

    実験の操作に関する問題でした。
    実験の操作には様々な理由がありますが、この操作では「加熱部分に水が流れて、試験官が割れないようにするため。」が正答になります。指定語句である「水」を使い忘れないように気を付けましょう。

  • [中2内容] 大問4 問2 炭酸水素ナトリウムの分解と炭酸ナトリウム

    実験結果から、炭酸水素ナトリウムの中の水と二酸化炭素の割合を求める問題です。
    まず場面1から炭酸水素ナトリウムの質量2.00gと炭酸ナトリウムの質量1.26gを見つけて、炭酸水素ナトリウムの割合を出します。
    1.26÷2.00×100=63(%)
    ここから忘れずに二酸化炭素と水の割合を出しましょう。
    100-63=37(%) 答えは37%となります。

  • [中2内容] 大問4 問3 炭酸水素ナトリウムの分解と炭酸ナトリウム

    表から正しく得られなかった結果を探し、その理由を選択肢から選ぶ問題です。
    先生の実験後の質量1.26gCさんの実験後の質量1.26gが同じですが、先生の実験前の質量2.00gに対し、Cさんの実験前の質量は1.90gとなっています。ここからCさんの結果が正しく得られなかったことがわかります。
    また、Cさんの実験前の質量1.90gに対し、Cさんの実験後の質量が多くなっていることもわかります。
    選択肢アについては、実験後の質量が少なくなるので不適。
    イについては、炭酸水素ナトリウムを少なく入れることはあっても多く入れることはないので不適。
    エについては、あとで試験管の重さを引くため、最終的な重さが変わることはないので不適。
    よって、理由としてあり得るものはウとなります。

  • [中2内容] 大問4 問4 炭酸水素ナトリウムの分解と炭酸ナトリウム

    化学反応式を答える問題です。
    炭酸ナトリウム水溶液と二酸化炭素から炭酸水素ナトリウムができるということは、
    炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素→炭酸水素ナトリウムということなので、炭酸水素ナトリウムの分解の化学反応式を左右逆にします。
    Na2CO3+H2O+CO2→2NaHCO3

  • [中3内容] 大問4 問5 炭酸水素ナトリウムの分解と炭酸ナトリウム

    炭酸水素ナトリウム水溶液と炭酸ナトリウム水溶液の性質についての問題です。
    MではpHと書いてある通り、アルカリ性の強さが問われています。
    炭酸水素ナトリウムより炭酸ナトリウムの方がアルカリ性が強いです。
    セスキ炭酸ソーダは炭酸ナトリウムが入っているので、重曹よりアルカリ性が強く、pHはアルカリ性が強いほど大きいので、Mは「より大きい」になります。
    また、Nでは水への溶けやすさが問われています。
    炭酸水素ナトリウムは炭酸ナトリウムに比べて水に溶けにくいです。
    炭酸水素ナトリウムだけでできている重曹も水に溶けにくいため、Nは「溶けにくく」になります。
    よって答えはアとなります。

  • 出題一覧表
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社会

問題構成は昨年度から変わらず、大問6題、小問30題でした。正しいものをすべて選ぶ完全解答形式の問題や、各大問での記述形式の問題も引き続き出題されています。

大問1は世界地理。問3は日本企業がベトナムに進出している理由として、韓国と比較した上でベトナムの賃金の低さや若年層が多いことを資料から読み取る問題でした。

大問2は日本地理。問4は明石海峡大橋の開通によって本州と直接つながった徳島県で、人の移動や経済がどのように変化したか、資料から読み取る問題でした。

大問3は近世までの歴史。問3は室町時代にどのように領地に関する争いを解決したか、当時の資料をもとに判断する問題でした。
大問2、3は下記に一部の問題の解説を掲載しているのでご覧ください。

大問4は近現代の歴史。問2は不平等条約の改正の歴史を図式化したものの空欄を埋める問題でした。年号の記載がないため、前後のできごとを手がかりにする必要がありました。

大問5は公民。問6は政党ごとの主張をもとにして、座標軸で分類する問題でした。大きな政府・小さな政府や自由貿易・保護貿易といった用語をただ覚えておくだけでなく、実際にどのような政策になるのかを理解していることが求められました。

大問6は3分野の小問集合。問4は文脈から適するグラフを選んだうえで、写真からわかる情報と組み合わせて、鹿児島県の黒豚の輸出について記述する問題でした。

問題解説

  • [中2内容] 大問2 問1 日本地理(雨温図)

    地図1から出雲市が日本海側の気候、高松市が瀬戸内の気候、新宮市が太平洋側の気候ということがわかります。日本国内の雨温図の問題では、降水量を判断材料にしましょう。Ⅰの雨温図はⅡやⅢと比べて降水量が少ないことから、瀬戸内の気候である高松市と判断します。Ⅱは気温が高い夏に降水量が非常に多くなっていることから、太平洋側の気候である新宮市と判断します。答えはエとなります。なお、出雲市は日本海側なので、冬の降水量が比較的多くなっているⅢの雨温図と判断できます。

  • [中2内容] 大問2 問3 日本地理(促成栽培)

    高知県でなすの生産と言えば「促成栽培」です。冬でも比較的温暖な気候を生かし、ビニールハウスを利用して出荷時期を早める栽培方法です。促成栽培を利用すると冬から春にかけて高知県産のなすが多く卸売市場に入荷されることになるので、グラフ1はWを選択します。まとめ2は、気候などからZであるとわかります。よって、答えはイとなります。

  • [中2内容] 大問2 問4 日本地理(本州四国連絡橋に関する資料の読み取り)

    空欄Qにはグラフ2から読み取ったことを書きます。フェリーと旅客船の輸送人数は、明石海峡大橋が開通した1998年頃を境に大きく減少しています。ここに着目して、「フェリーと旅客船の輸送人数が(大きく)減少している」とまとめます。次に空欄Rは、空欄の前の「徳島県の年間商品販売額は、1999年以降少しずつ低くなっている傾向が読み取れます。」や、後の先生の発言の「交通網が整備されたことで、地方の消費が落ち込むこともあります。」に着目して、「多くの人が(本州にある)大都市に行くようになった」とまとめます。このように、交通網が整備された結果、大都市に人が吸い寄せられるように移動する現象を「ストロー現象」といいます。

  • [中1内容] 大問3 問1 近世までの歴史(奈良時代のできごと)

    Ⅰの時代は、資料の「新しく開墾した土地は、租を納めることと引きかえにいつまでも私有地としてよい」が「墾田永年私財法」ですので、奈良時代であるとわかります。よって文化はb、資料は1の「興福寺の阿修羅像」となり、答えはウとわかります。なお、aは「大和政権」から古墳時代、資料2の「武人埴輪」も古墳時代です。

  • [中1内容] 大問3 問4 近世までの歴史(室町時代のできごと)

    問4はⅣの時代に起こった世界のできごとに関する問題。Ⅳの時代は「土倉や酒屋などをおそって借金の帳消しなどを求める土一揆」から室町時代と判断できます。Xの「勘合を日本の船に与えて貿易(勘合貿易)」やZの「李成桂が高麗をほろぼして朝鮮国を建てた」は室町時代のできごとですが、Yの「ラクスマンが蝦夷地の根室に来航」は江戸時代のできごとです。よって、X:正、Y:誤、Z:正のイが正答です。

  • 出題一覧表
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