2021年(令和3年)4月号_千葉県公立高校入試版
【令和3年度入試はこう実施された!!】
令和3年度、千葉県公立高校入試は大きく変更となりました。「ペンギン入試レポート4月号(千葉県公立高校入試版)」では、入試制度変更初年度の令和3年度公立高校入試の結果、および令和4年度公立高校入試の日程をまとめて掲載しました。ぜひ、ご一読いただきお役立てください。
高校入試で合格を勝ち取ることができるように、臨海セミナー職員一同、できる限りの応援をさせていただきます。入試に関するご相談などがございましたら、ご遠慮なく臨海セミナーの各教室までお問い合わせください。
1、令和3年度入試の変更点について
令和3年度から千葉県公立高校入試は大きく変更となりました。主な変更点は下記の通りです。
- ① 「前期選抜」と「後期選抜」をまとめ、選抜は1回のみの実施
- ② 学力検査を2日間で実施
- ③ インフルエンザ等の対応として追検査を実施
- ④ 英語(リスニングテストを含む)の学力検査を60分で実施
- ⑤ 定時制の課程の学力検査は5教科または3教科で実施
- ⑥ 海外帰国生徒の特別入学者選抜の学力検査は3教科で実施
2、中学卒業予定者数と公立高校募集定員について
令和3年3月の国公私立中学校卒業予定者数が昨年度と比べ約2,050名減少したため、全日制の課程では1,480名募集定員を削減しました。
募集定員減の学校(学科) 各1学級減
統合による募集定員の変更
3、令和3年度入試の選抜結果についてて
全日制課程高校では126校203学科で一般入学者選抜等(※特別入学者選抜、地域連携アクティブスクールの入学者選抜含む)が実施されました。募集人員30,920名に対して、志願者確定数は33,517名、志願確定倍率は1.08倍と、これまでの前期選抜・後期選抜の志願倍率を大きく下回りました。普通科全体の志願確定倍率も1.09倍と、昨年度の前期選抜の志願倍率である1.83倍を大きく下回っています。受験者数は33,328名、受験倍率は1.08倍となりました。合格者数は28,988名となり、実質倍率は1.15倍となりました。
全日制入学者選抜状況
※令和3年度の定員、志願者確定数、志願確定倍率、受験者数、受験倍率、合格者数、実質倍率には「一般入学者選抜」、「特別入学者選抜」及び「地域連携アクティブスクールの入学者選抜」のものを含みます。また、受験者数及び受験倍率は確定した数値を掲載しています。
4、学力検査について
これまでの前期・後期選抜では、1日で学力検査5教科を実施していましたが、令和3年度からの新入試制度では、第1日に3教科(国語・数学・英語)、第2日に2教科(理科・社会)の2回に分けて学力検査を実施することになりました。また試験時間は英語のみ50分→60分に変更されました。
【令和3年度学力検査の出題範囲について】
令和3年度入試では、新型コロナウイルス感染症の影響により、中学校等で臨時休業が実施されたことを踏まえ、下記の内容が出題範囲から除外されました。
※中学校学習指導要領(平成20年3月告示)の内容に基づく
【令和3年度学力検査の出題傾向と今後の対策】
英語
今年は記述問題が増加しましたが、ほとんどの設問の傾向に大きな変更はありませんでした。過去問などで似た形式の問題に慣れておくことが有効です。また、対話文や長文など多量の英文を速く正確に読む必要があるため、日頃から英語の文章に多く触れるようにしましょう。リスニング問題は、英語を聞き取る練習を継続的に行う必要があります。過去問や英検3級程度の問題で練習するとよいでしょう。単語はただ覚えるだけでなく、関連する単語や言いかえの表現も合わせて覚えておく必要があります。語順整序や語形変化の問題では,基本的な知識が問われるので、偏りなく復習することで点数を上げることができます。条件英作文問題については、教科書内容レベルの単語・表現・文法を活用して英文を正しく書く練習をしておくと効果的です。
数学
まずは教科書や問題集などを使って、基礎的な技能や知識を身につけましょう。特に図形領域は丁寧に確認しておくとよいでしょう。さらに難問で得点するには、模擬試験や入試過去問を使って、さまざまな解法や考え方に触れることも有効な対策となるでしょう。より短い時間で、正確に解ける解法を選択できる判断力を磨いていきましょう。とくに、関数と図形の融合問題や平面図形の複雑な問題、規則性の問題などは、しっかりと対策をしておきたいです。また、中学校3年間で学習する全てが試験範囲です。近年の出題領域・傾向にとらわれず、万遍なく学習をして下さい。
国語
漢字は、小中学校で学習したものの復習を行いましょう。論説文は段落ごとの要旨をつかむことを意識し、小説文は登場人物の立場や関係性、心情の変化やその理由を正確に読み取る練習をしましょう。論説文・小説文とも記号選択形式だけではなく、書き抜き・記述形式の問題もあるため、さまざまな問題を解いて慣れていく必要があります。古典は、登場人物を把握し,誰が何をしたのか、その行動の理由などを読み取る練習を積み、仮名遣いや返り点に関しても復習しておくとよいでしょう。聞き取り問題は、英語と同様に練習を継続的に行うことが大切です。また、千葉県の公立高校の入試では、文法・表現も幅広く出題されます。文法事項、語句の知識に加え、敬語の使い方、熟語の成り立ち、ことわざ・慣用句などを幅広く学習し、日ごろから語彙を増やすよう心がけましょう。
理科
出題内容、難易度ともにほとんどの問題は中学校の定期試験と同程度で、昨年に続きとても解き易くなっています。教科書内容をしっかりと理解していれば解ける問題が多いです。その中で、注意深さと思考力が問われる問題もありました。中3の夏から入試対策をはじめるのではなく、中3の夏までに基本事項をできるだけ多く身につけて、その後、思考力や判断力を養う練習ができると良いでしょう。そのためにも中1・2の定期試験に向けた準備のときから、学習内容の確かな定着をはかっていくことが重要です。
社会
求められる用語など、知識の面は教科書をベースにした学習で十分です。しかし、因果関係などの把握が必要な問題が多く出題されることから、高得点を目指すには単に用語を覚えるだけでなく、それに関連した事項などの周辺知識もまとめて覚えることが望ましいです。千葉県の公立高校の入試過去問を解き、出題傾向を把握すると同時に、他県の入試問題も解くことで出題傾向の変化にも対応できるようにするとよいでしょう。
5、学校設定検査について
令和3年度入試から、第2日の学力検査終了後に、学校設定検査が実施されることとなりました。学校設定検査とは、面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題による検査及びその他の検査から、各学校が特色にあわせて1つ以上実施する検査です。
多くの学校で、これまでの前期選抜2日目と同様の検査を実施しましたが、一部で変更するケースも見られました。また、新入試制度では、学校設定検査は学力検査終了後の午後からの実施となるため、これまで2つの検査を実施していたものを1つに減らす学校が目立ちました。令和3年度入試での学校設定検査実施状況は下記のとおりです。
各検査を実施した学校・学科の延べ数 ( )は令和2年度前期選抜におけるデータ
実施した検査の数 ( )は令和2年度前期選抜におけるデータ
6、令和4年度入学者選抜の日程について
千葉県公立高校の令和4年度入学者選抜は下記の日程で千葉県教育委員会より発表されました。早い時期から入試の日程を把握することで、入試に向けての学習スケジュールを立てることができ、モチベーション向上にもつながります。受験生の皆様は、ぜひご確認ください。
一般入学者選抜、特別入学者選抜、地域連携アクティブスクールの入学者選抜及び通信制の課程の一期入学者選抜の日程
7、令和4年度入試に向けて
入試で合格をつかむためには、まず調査書の内申点をとれるように、日々学校の定期テストできっちり点数をとり、宿題や提出物などの提出もしっかりとおこなう等、前向きな姿勢で学校の授業に取り組む必要があります。臨海セミナーでは常にその重要性について受験生の皆様にお伝えしながら学習指導にあたっております。
志望校合格という15歳の一つの大きな夢の実現に向けて、常に正確かつ豊富な入試情報をもとにした進路指導、出題傾向をおさえた授業、やる気を引き出す授業を行ってまいります。今後とも、臨海セミナーの学習指導・進路指導にご期待ください。