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2023年(令和5年)5月号_私立高校入試制度(神奈川、東京、千葉、埼玉)

公開日:2023年05月02日

私立高校入試の制度を知ろう

「ペンギン入試レポート令和5年5月号(私立高校入試版)」では、私立高校の受験の制度についてまとめました。私立高校の受験は、公立高校を第一志望とする場合にも併願として考えておくことが不可欠です。私立高校を第一志望に考えている方はもちろんのこと、公立高校を第一志望に考えている方も、是非ご一読いただき、今後の志望校決定にお役立てください。

【1】私立高校を受ける意義について

近年、公立高校受験において、当日の入試得点を重視する傾向が強まっており、内申だけでは結果を想像することが非常に難しくなってきています。また、近年の経済情勢により公立高校人気が高まっており、募集人員に対する受験者数も増える傾向にあります。入試では、ある程度内申に余裕がある生徒でも、当日の体調等によって、普段の力を十分に発揮できない場合も考えられます。したがって、公立高校が第一志望であっても、必ず併願の私立高校を受験するようにしてください。公立高校入試前に私立高校の合格を得ておくことで気持ちに余裕を持って公立高校入試を迎えることができます。

以前は入学金や学費など高いイメージがあった私立高校ですが、現在は国や県の奨学金制度が整っており、ご家庭の負担も大きく軽減されるようになっていますので、必ず私立高校の併願をお考えください。

【2】入学相談制度について

多くの私立高校は「入学相談制度」という特徴のある制度を設けています。

①入学相談制度とは
私立高校側があらかじめ合否の基準を提示する制度です。各私立高校は毎年、中学校の成績をもとにした「入学相談基準」を設定し、公立中学校に提示します。その後、公立中学校では私立高校から提示された「入学相談基準」と生徒の成績を見ながら、進路指導を開始します。2学期(後期)の定期テストが終了し、中学校での成績が確定すると、三者面談が実施されます。三者面談で私立高校の受験校が決まると、中学校は私立高校に提出する資料を作成します。その資料は12月15日より数日間のうちに私立高校に提出され、私立高校は12月17日頃までに公立中学校に合格の可能性を○×△で返答します。○というのは「基準に達しており欠席日数にも問題がないので合格の可能性が高い」という意味であり、×は「基準に達していないのでお預かりできません。」という意味、△は「基準に少し足りないので当日のテスト結果で合否を決めます」という意味となります。しかし、入学相談で○をいただいていても合格が100%保証されるものではありません。入試での服装や行動などにも注意が必要です。また、試験結果が極端に悪い場合は、可能性は低いものの不合格になってしまう場合や、高校側から厳重注意がなされる場合もあります。入学相談で○をいただいていたとしても気を緩めることなく、入試当日までしっかり勉強に取り組んでください。

②埼玉県の私立高校との入学相談について
埼玉県では、中学校と私立高校との間での入学相談を行っていません。生徒・保護者が高校の個別相談会などに参加し、私立高校の先生に直接合格の可能性を相談していくことになります。埼玉県の各私立高校は、調査書の内申点や北辰テストを中心とした各種模擬試験での偏差値をもとに基準を設定しており、その基準を目安として合格の可能性を生徒・保護者に伝えていきます。基準の扱いについては高校によって異なり、模擬試験での偏差値や学校の成績で基準に達していれば合格の可能性が高く、ある程度安心して受験できる高校がある一方、基準は受験資格であり合否は当日の学科試験で決まる高校もあります。また、基準に適用される模擬試験の種類や受験時期も高校により異なります。必ず、個別相談の際に高校の先生に確認するようにしてください。

個別相談で合格の可能性が高いとお話をいただいていても、合格が100%保証されるものではありません。入試での服装や行動などに問題がある場合や、試験結果が極端に悪い場合は、不合格になってしまうことや、高校側から厳重注意がなされることがあります。個別相談の結果のみで気を緩めてしまうことなく、入試当日までしっかり勉強に取り組んでください。

【3】私立高校の入試形態について

私立高校の入学試験には、大きく分けて「推薦」と「一般」があります。「一般」には専願(単願)・併願・オープン(フリー)があります。千葉・埼玉では、「推薦」が専願(単願)・併願のように分かれることもあります。神奈川・東京の一部では「書類選考」という特別な制度を採用している私立高校もあります。

①推薦について
受験する私立高校を第1志望としている生徒が対象で、合格したら必ず入学することが条件になります。出願時に中学校長の推薦書が必要となります。試験は面接のみとしている高校が多く、原則学科試験はありません。ただし、一部の高校で作文や適性検査が課される場合があります。ほとんどの高校の場合、12月中旬に中学校と私立高校との間で入学相談が行われ、内申等の基準を満たしていれば、不合格となる可能性はほとんどありません。

※難関校の推薦入試
早稲田大学高等学院や青山学院等の難関校でも推薦入試が行われています。ただし、事前の入学相談で合格の可能性が決まるということはなく、出願資格を満たす受験生の中で、さらに選抜されていくことになります。たとえば、早稲田大学高等学院は内申基準が中3の9科内申40(令和5年度入試)で、出願者調書や活動記録報告書を基にした30分にわたる面接で合否が決定されます。また、慶應義塾や早稲田実業のように、内申だけでなく、スポーツや文化活動で実績を残したことを推薦入試の出願条件とする高校もあります。内申点や部活動の実績など、出願資格をクリアしている場合はぜひ積極的にチャレンジしてみましょう。

②専願(単願)について
受験する高校を第1志望としている生徒が対象です。推薦入試と比べ、専願の基準を低く設定している高校が多いです。推薦入試同様、12月中旬の中学校と私立高校との間で行われる入学相談で、内申等の基準を満たしていれば、よほどのことがない限り不合格となることはありません。

高校によっては、第1志望は「推薦」のみとし、一般入試で「専願」を設けない場合もあります。

③併願について
他の高校を第1志望とし、第2志望としてその私立を受ける、いわゆる「すべり止め」としての受験です。公立高校の併願のみ認める高校と、私立高校との併願も可能な高校とがあります。一部の私立高校を除き、12月中旬の中学校と私立高校との間で入学相談が行われます。内申基準は推薦や一般入試専願と比較して高くなる傾向にありますが、第1志望校向けの勉強をしっかりと進めつつ、併願する受験校の入試問題を事前にみて自分のできる範囲の問題を精一杯こなせば大きく心配のある入試ではありません。

④オープン(フリー)入試
内申等による事前の入学相談がなく、主に入試当日の得点で合否を決定する方法です。難関高校をはじめ、多くの私立高校でオープン入試・フリー入試の枠を設けています。臨海セミナーでは、このオープン入試制度を利用し、入試日程を考慮しながら複数校の受験をする生徒が増加しています。公立高校より難度の高い私立高校をチャレンジしたい受験生や、自分自身の実力を試したい受験生はぜひ積極的にチャレンジしてみるとよいでしょう。

⑤書類選考入試
面接や学科試験を課さず、調査書などの出願書類のみで選考する入試です。専願者のみを書類選考の対象にする場合と、併願者も書類選考を受け付ける場合とがあります。ただし、併願で書類選考を採用している高校も、対象を一部のコースのみとするなど、制限を設けている場合がありますので、高校ごとに募集要項で確認する必要があります。

12月中旬に中学校と私立高校との間で入学相談が行われ、内申等の入学相談基準を満たしており、かつ条件に引っかかっていなければ、大きな心配はありません。ただし、一部の高校では予め基準を設定せずに、入学相談を行っています。この場合、高校は入学相談者の中から成績等を見て合格者を決定していくため、入学相談の結果が判明した時点で出願資格の有無が決定します。入学相談が通らなかった場合は、その時点でまだ入学相談を受け付けている別の学校に再度、中学校の先生から入学相談に持っていっていただく流れになります。

【4】私立高校の受験日程について

神奈川・東京・・・推薦が1月中に行われ、2月に一般試験が行われます。
千葉・・・前期・後期の2種類の日程があります。前期は1月17日、後期は2月15日より開始します。公立高校の入試が1本化されたことに伴い、後期入試を実施しない高校が増えました。
埼玉・・・多くの学校が1月から試験を始めます。ほとんどの高校で2~3回の試験日を設定しており、受験の区分(単願・併願など)によって日程が異なります。自分の受験形態に合わせて受験する必要があります。1月で受験を終える高校もあります。

【5】各私立高校の入学相談基準について

入学相談基準については毎年見直しが行われ、必要に応じて変更されます。令和6年度入試の基準につきましては、秋以降に首都圏のほぼ全ての高校の基準が判明しますので、その時期の進路指導でお伝えします。

また、入学相談制度を採り入れている多くの私立高校では、入学相談基準において①「加点制度」や②「条件」が設定されています。


①加点制度とは、予め高校が定めた項目を満たす場合には、内申合計点に一定のポイントを加算するという制度です。加点項目の代表的なものには次のようなものがあります。

  • 1.英語検定・数学検定・漢字検定などの検定取得
    (3級以上が基本。中には準2級以上や2級以上で設定している私立高校もあり)
  • 2.出席状況
    (中学3年間皆勤など)
  • 3.部活動の実績
    (市大会・県大会・全国大会などの団体・個人の実績や部長・副部長など)
  • 4.生徒会活動
    (生徒会長・生徒会副会長・書記など)
  • 5.委員会活動
    (委員会委員長や副委員長など)
  • 6.課外活動
    (ボランティア・社会福祉活動など)
  • 7.保護者・兄弟が卒業または在籍

②条件とは、予め各高校が定めた条件に満たない場合、入学相談において良い返答が得られないというものです。条件の代表的なものには次のようなものがあります。

  • 1.欠席日数
    (3年間合計・各学年・中3のみなど様々な設定あり)
  • 2.遅刻・早退日数
    (3年間合計・各学年・中3のみなど様々な設定あり)
  • 3.特定の教科で5段階の評定で1や2不可
    (上位校では評定3がある場合は不可という私立高校もあり)

【6】内申の重要性

先述のように、中学校の進路指導は私立高校が設定している入学相談基準を目安におこないます。そのため、内申点に加点をしたうえで入学相談基準に達しない場合は、その高校の受験を取りやめるように勧めてくることも多くあります。中学校では全員が確実に合格できることを念頭に進路指導を進めます。そのため、少しでも合格可能性が低いところは避ける傾向にあります。また、「条件」の項目で述べたように、欠席・遅刻・早退が多いことや評定に1、2があることで出願に不利になることもあります。

このように、内申点は公立高校受験だけでなく、私立高校の受験にも非常に重要なものです。普段から、学校での授業態度や提出物等に気をつけ、小テストや定期テストできちんと得点できるよう意識する必要があります。

【7】私立高校による学校説明会・イベントについて

私立高校では、受験生・保護者を対象とした学校説明会やイベントを行っています。高校の指導方針や在校生の雰囲気を知る絶好の機会ですので、私立高校が第一志望の方はもちろん、公立高校を第一志望と考えている方も、早い段階から積極的に参加し、3年間通いたいと思える学校を志望校とするようにしてください。なお、高校によっては学校説明会への参加が加点や出願条件となっている場合もあります。

各高校の学校説明会やイベントについては、今後のペンギン入試レポートでもお伝えしてまいりますが、予約が必要な場合もありますので、参加を希望される場合は必ず事前に各学校のHPでご確認ください。

【8】令和6年度入試に向けて

入試で合格をつかむためには、まず調査書の内申点をとれるように、日々学校の定期テストできっちり点数をとり、宿題や提出物などの提出もしっかりとおこなう等、前向きな姿勢で学校の授業に取り組む必要があります。臨海セミナーでは常にその重要性について受験生の皆様にお伝えしながら学習指導にあたっております。

志望校合格という15歳の一つの大きな夢の実現に向けて、常に正確かつ豊富な入試情報をもとにした進路指導、出題傾向をおさえた授業、やる気を引き出す授業を行ってまいります。今後とも、臨海セミナーの学習指導・進路指導にご期待ください。

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