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2022年(令和4年)5月号_神奈川県公立高校入試版

公開日:2022年05月01日

神奈川県公立高校入試の仕組みを知ろう

「ペンギン入試レポート5月号(神奈川県公立高校入試版)」では、令和5年度公立高校入試の日程、および入試制度をまとめました。早い時期から入試の仕組みを知り、意識を高めることができるかどうかで結果は大きく変わります。ぜひ、ご一読いただきお役立てください。

高校入試で合格を勝ち取ることができるよう、臨海セミナー職員一同できる限りの指導をさせていただきます。入試に関するご相談などがございましたら、ご遠慮なく臨海セミナーの各教室までお問い合わせください。

1、令和5年度入学者選抜日程

令和5年度神奈川県公立高校入学者選抜の日程が発表となりました。早い時期から入試の日程を把握することで、入試に向けての学習スケジュールを立てることができ、モチベーション向上にもつながります。受験生の皆様は、ぜひご確認ください。
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(注1) 新型コロナウイルス感染者又は濃厚接触者の認定により学力検査等の全て(追検査含む)を受験できなかった人の中で、受験を希望する人を対象として実施。

2、選抜について

選抜は第1次選考と第2次選考に分けて行われます。第1次選考では、調査書の評定、学力検査の得点、面接の得点、特色検査の得点(実施校のみ)から求める「数値 S1」により募集人員の90%までを選考します。残りの10%は、第2次選考として、調査書の評定を用いず、学力検査の得点、面接の得点、特色検査の得点(実施校のみ)で算出される「数値 S2」により選考します。

数値S1・S2は、各校が定めた調査書の評定、学力検査の得点、面接の比率をもとに算出されます。各選抜資料の比率は、それぞれが2以上の整数、かつ合計が10となるよう、各校が設定します。また、特色検査(実施校のみ)の比率は、5以下の整数に設定し、合計の10に加えられます。

(1)第1次選考について

☆数値S1の算出方法

①調査書の評定、学力検査の得点、面接の得点、特色検査の得点をそれぞれA~Dとする。
調査書の評定A(135点満点)=(2年9科)+(3年9科)×2
※3教科の範囲で評定を1~2倍し、重点化することができる。

学力検査B(500点満点)=5科×100
※2教科の範囲で得点を1~2倍し、重点化することができる。

面接C=面接の得点

特色検査D=特色検査の得点 (実施校のみ)

②A~Dを100点満点に換算したものをa~dとする。
調査書の評定A(135点満点) ⇒ 100点満点【a】
学力検査B(500点満点) ⇒ 100点満点【b】
面接C ⇒ 100点満点【c】
特色検査D ⇒ 100点満点【d】

③a~dに各校が定めた比率を乗じて数値S1を算出する。
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数値S1は特色検査を実施しない場合は1000点満点、特色検査を実施した場合は最大で1500点満点となります。

☆ 数値S1による選抜の例①(特色検査を実施しない場合)

〔臨海セミ夫くんの各資料の得点〕
 ■調査書の評定合計 (A)105/135
 ■各教科の得点の合計 (B)360/500
 ■面接の得点 (C)80/100

〔臨海セレ菜さんの各資料の得点〕
 ■調査書の評定合計 (A)90/135
 ■各教科の得点の合計 (B)420/500
 ■面接の得点 (C)65/100

それぞれ100点満点に換算(※小数第一位を四捨五入)

〔セミ夫くん〕
 調査書の評定(a) =105÷135×100=78
 学力検査(b) =360÷500×100=72
 面接(c) =80

〔セレ菜さん〕
 調査書の評定(a) =90÷135×100=67
 学力検査(b) =420÷500×100=84
 面接(c) =65

各選抜資料の比率(f:g:h=評定:学力検査:面接)
 A高校 2:6:2 学力検査重視
 B高校 4:4:2
 C高校 6:2:2 評定重視

A高校 (f:g:h=2:6:2)を受験する場合

〔セミ夫くん〕
 S1=a×f+b×g+c×h
   =78×2+72×6+80×2
   =748
セミ夫くんのS1値は、748点となります。

〔セレ菜さん〕
 S1=a×f+b×g+c×h
   =67×2+84×6+65×2
   =768
セレ菜さんのS1値は、768点となります。

セミ夫くんとセレ菜さんのS1値を比べると学力検査得点の高いセレ菜さんの方が、内申点、面接点ともセミ夫くんを下回っているにもかかわらず、合格の可能性がより高いことが分かります。

B高校についても同様に計算すると、内申点と学力検査得点をバランスよく取っているセミ夫くんの方が合格の可能性が高くなり、C高校についても、内申点の高いセミ夫くんの方が合格の可能性が高いことになります。

☆ 数値S1による選抜の例②(特色検査を実施する場合)

〔セミ夫くん〕
 ■特色検査の得点  (D)70/135
〔セレ菜さん〕
 ■特色検査の得点  (D)60/135

A高校(f:g:h=2:6:2)が特色検査を実施した場合
特色検査の比率(i=5)と設定した場合

〔セミ夫くん〕
 S1=a×f+b×g+c×h+d×i
   =78×2+72×6+80×2+70×5
   =1098
セミ夫くんのS1値は、1098点となります。

〔セレ菜さん〕
 S1=a×f+b×g+c×h+d×i
   =67×2+84×6+65×2+60×5
   =1068
セレ菜さんのS1値は、1068点となります。

セミ夫くんとセレ菜さんのS1値を比べると、特色検査得点の高いセミ夫くんがセレ菜さんのS1値を上回り、特色検査を実施しない場合との逆転が起きています。このiの値が1の場合にはこの逆転現象は起きません。

これらの例から分かるのは、同じ点数であってもf:g:hの値やiの値によって、S1値は異なるということです。したがって、志望校がどのような比率で選抜を行うかをよく知っておくことが大切です。

参考に、比率ごとの調査書の評定と学力検査の関係を表す表を掲載します。調査書の評定1点分に相当する学力検査の得点が示されています。この表を見ると、例えば、評定・学力検査・面接の比率が「2:6:2」の高校を受験する場合、内申点の合計が5点高い受験生と同じS1値を取るには、入試得点の合計で1.23点×5点=6.15点高く得点する必要があることが分かります。

比率による調査書の評定と学力検査の関係(※評定・学力検査を重点化しない場合)
penrepo_2022-05_k_table02.png

(2)第2次選考について

第2次選考では、調査書の評定を用いずに数値S2を算出します。

☆ 数値S2の算出方法

学力検査の得点と面接の得点(場合により、特色検査の得点を加算)の総合点で算出
penrepo_2022-05_k_formula02.png

3、学力検査について

学力検査は、クリエイティブスクールを除く全ての学校で実施されます。実施科目は原則、国語、社会、数学、理科及び英語の5教科です。解答は「マークシート方式」と記述式の併用となります。
※ただし、特色検査を実施する学校、学科では実施科目を3教科にまで減らすことがあります。
※学力検査は1教科50分で実施します。
※学力検査の満点は1教科100点、5教科で500点となります。ただし、2教科までの範囲で2倍まで特定の教科を重点化することが可能です。

☆重点化の例
英語と国語を2倍する学校を受験する場合、上段の得点を取ったとしても下段の得点が選抜に使われます。
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☆学力検査の結果について
過去5年間の共通選抜(全日制の課程)における学力検査の5教科の合格者平均点は、下記の表の通りです。高校ごとの平均点や合格最高点・最低点等については公表されていません。
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4、面接について

面接は、「主体的に取り組む態度(学習意欲)」や「生徒一人ひとりの個性や能力、適性」を把握するため、すべての学校で実施されます。面接の実施方法は、下記の通りとなります。

☆面接の実施方法
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※1 調査書の提出を要しない受験者については、面接シートの記載内容を参考にする。
※2 クリエイティブスクール、県立相模向陽館高等学校、通信制の課程の高校は、面接シートの代わりに、各学校が提出を求める受験者本人の記載する用紙を参考にして、面接を実施することができる。

☆評価の観点
面接の評価の観点には、「共通の観点」と「学校ごとの観点」があります。
共通の観点・・・
 ①中学校での教科等に対する学習意欲
 ②中学3年間での教科等以外の活動に対する意欲
 ③入学希望の理由
学校ごとの観点・・・
 ①高校での教科・科目等に対する学習意欲
 ②高校での教科・科目等以外の活動に対する意欲
 ③学校・学科等の特色の理解
 ④将来の展望
 ⑤面接の態度 など

☆面接の評価方法
評価基準は各高校が作成します。各高校の評価基準に関しては非公表となりますが、参考資料として、神奈川県教育委員会が提示した評価の基準を掲載します。いかに「具体性」を持った回答ができるかが、評価を分けるポイントとなりそうです。

観点と評価基準の例
penrepo_2022-05_k_table06.png

5、特色検査について

特色検査とは、学力検査や面接では測ることができない総合的な能力や特性をみる検査として、各学校がそれぞれの特色に応じて任意に実施する検査です。特色検査には、実技検査自己表現検査の2種類があります。

①実技検査
実技検査は、特色ある学科・コース・専攻を志願する受験生に対して、学科の特性に応じた能力・適性を把握するために実施されます。美術系の学科ではデッサン、音楽系の学科では声楽や演奏、体育系の学科では選択した種目の試技などがあります。

②自己表現検査
自己表現検査は、各学校の特色ある教育活動に応じた多面的な能力・適性を把握するために実施されます。自己表現検査には文章や資料を読んで解答する記述型の問題、与えられたテーマについて自分の考えを述べるスピーチ型の問題、グループ討論などがあります。なお、自己表現検査の問題はすべての学校で独自に作成されていましたが、平成31年度から県が作成する「共通問題」と「共通選択問題」が導入され、令和4年度入試ではすべての学力向上進学重点校と学力向上進学重点校エントリー校で共通問題・共通選択問題が実施されました。

令和5年度入試で特色検査を実施する学校や検査の概要については、令和4年6月中旬以降に神奈川県教育委員会より発表予定です。発表され次第、「ペンギン入試レポート」等でお知らせします。

6、今後の公立高校改編について

神奈川県公立高校で令和4年度以降に統廃合・学科の改編や入試の変更が予定されている学校は下記の通りです。

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7、私立併願校について

同レベルの学力の受験生が集まる入試は、少しの得点ミスにより合格が厳しくなる場合があります。また、入試当日の体調等によって、内申に余裕がある生徒でも実力が出し切れないこともあります。したがって、公立高校が第一志望であったとしても、必ず私立高校を併願で受験するようにしてください。先に私立高校を受験することで入試当日の緊張感に慣れることができますし、先に私立高校に合格することで気持ちに余裕を持って公立高校入試を迎えることができます。

併願の私立高校は公立高校が不合格となった際には進学することになる高校です。毎年、公立高校合格発表後に併願した私立高校への進学を取り止め、別の私立高校を受験したいという生徒がいます。そのようなことがないよう、必ず事前に学校説明会などに参加し、校風や教育方針等を見極めたうえで、3年間通いたいと思える高校を受験校とするようにしてください。

また、経済的な事情から私立高校への進学が難しく、公立高校のみを受験するというご家庭があります。入学金や学費等に関しては、国や県からの補助金(返還不要)を利用することで進学が可能な場合も少なくありません。経済的な事情により私立高校の受験を迷われている場合には、ご遠慮なくお通いの教室にご相談ください。

8、令和6年度入試からの改善方針について

神奈川県教育委員会は令和4年4月、令和6年度入試(現中学2年生が受験)からの入学者選抜制度改善方針を発表しました。主な改善内容は下記の通り。

  • ①定通分割選抜の実施時期を変更。
  • ②定通分割選抜の二次募集を廃止。
  • ③共通選抜、定通分割選抜において、すべての受験生に一律で実施する面接を廃止。
  • ④特色検査は、実技検査、自己表現検査、面接のいずれかとする(※ただし、クリエイティブスクールは面接を必須とする)。
  • ⑤共通選抜(全日制・定時制)の第2次選考において、調査書の学習の記録における観点別学習状況の評価を活用。

≪共通選抜における合計数値の算出と選考の方法≫

①調査書の評定、学力検査の得点、面接の得点、特色検査の得点をそれぞれA~Dとする。
調査書の評定A(135点満点)=(2年9科)+(3年9科)×2
※3教科の範囲で評定を1~2倍し、重点化することができる。

学力検査B(500点満点)=5科×100
※2教科の範囲で得点を1~2倍し、重点化することができる。

観点別学習状況の評価C(27点満点)=第3学年の9教科の「主体的に学習に取り組む態度」の評価の合計
※3教科の範囲で得点を1~2倍し、重点化することができる。
penrepo_2022-05_k_table08.png

特色検査D=特色検査の得点 (実施校のみ)

②A~Dを100点満点に換算したものをa~dとする。
調査書の評定A(135点満点) ⇒ 100点満点【a】
学力検査B(500点満点) ⇒ 100点満点【b】
観点別学習状況の評価C(27点満点) ⇒ 100点満点【c】
特色検査D ⇒ 100点満点【d】

≪第1次選考≫ ⇒ a、b、dに各校が定めた比率を乗じてS1を算出、募集人員の90%までS1に基づき選考する。

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≪第2次選考≫ ⇒ b、c、dに各校が定めた比率を乗じてS2を算出、残りの人員をS2に基づき選考する。

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