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大学受験入試情報
入試の情報をお教えします
~ 2025年度 新課程入試 ~
新学習指導要領の実施に伴い、2025年度入試では、課される教科・科目に大幅な変更が見込まれます。
大学受験の種類
大学受験は様々な種類の入試が行われていますが、以下の3つに大別することができます。入試区分により出願時期が異なります。
<大学入試の主な入試区分>
※入試名称は大学により異なります。
● 一般入試
当日の学力試験の結果のみで合否を判定します。私立大学の場合は3教科3科目、国公立大学の場合は共通テストで5教科7科目、2次試験で大学の指定する科目の試験を受験する必要があります。ほぼすべての大学で実施されており、募集人数も多い入試形式となります。
● 学校推薦型
2020年までは「推薦入試」と呼ばれていた試験で、指定校推薦と公募制推薦に大別されます。ともに学校長の推薦が必要となりますが、指定校は内示が出るとほぼ合格する一方で、公募制推薦については一般入試と同程度の倍率となる場合があります。また、出願には評定平均や資格などの条件が設定されることが多いです。※公募制推薦は実施がない大学もあります。
● 総合型選抜
2020年までは「AO入試」と呼ばれていた入試形式です。学力だけでなく、様々な観点で合否を判断する入試形式です。基準や選抜方法は大学によって異なります。学校推薦型と似ている部分もありますが、出願において学校長の推薦がいらない点や選考が多面的であることが多いのがこの入試と特徴といえます。※実施がない大学もあります。
推薦入試にせよ一般入試にせよ、合格するには一定以上の学力が必要となります。その上で、「大学で学びたいことが明確」であり、「論理的に考え、表現できる」人は推薦入試に向いているといえます。様々な受験形態の中から、自分にあった入試形態を見つけて勉強していくことが重要となります。
入試形態別の進学割合
国公立大学は一般入試での入学が80%以上ですが、私立大学は学校推薦型の割合が一般入試を上回っています(2022年時点)。とはいえ、学校推薦型は実施がない大学があり、志望大学で実施されているかは不透明です。大学進学を考える場合は一般入試を想定して勉強しておくことが選択肢を広げることにつながります。
国公立大学の入試について
国公立大学の一般選抜は、1次試験的役割を果たす「共通テスト」の得点と、大学別に実施される「2次試験(個別学力検査)」の得点の合計で合否を判定するケースが一般的です。国公立大学志望者は、1月中旬に実施される「共通テスト」を原則受験し、志望する大学に願書を提出します。国公立大学の出願期間は、共通テストの約1週間後からスタートし、約10日間となっています。共通テスト受験後、自己採点を経て、出願校を変更するケースもあります。出願時になって慌てないよう事前に複数の候補を挙げておくようにしましょう。
国公立大学の日程の注意点
各大学で実施される国公立大学2次試験(個別学力検査)は2月下旬から行われます。2次試験は「前期日程」「後期日程」の2つの日程に募集人員を振り分けて選抜する「分離・分割方式」という制度で実施されます。受験生は「前期日程」と「後期日程」にそれぞれ1校ずつ出願できます。同じ大学・学部を2回受験することも、別々の大学・学部を受験することもできます。また、一部の公立大学では「中期日程」を設定する大学もあります。これらをあわせると国公立大学は最大3校の受験が可能となります。注意しなければならないのは、「前期日程」で合格して入学の手続きを行うと「中期日程」「後期日程」の合格者になる権利は失われてしまいます。つまり、すべての日程の合否を確認してから入学する大学を選ぶことはできませんので、第1志望校は「前期日程」で受験することが一般的になります。前期日程と後期日程の募集人員の割合は8:2と圧倒的に「前期日程」の割合が高くなっており、複数回の受験機会があるものの、実質的には「前期日程」が中心と言えます。
国公立大学の2段階選抜
国公立大学の一般選抜で注意が必要であるのが2段階選抜という制度です。これは共通テストの成績で「第1段階選抜」を行い、その合格者に対して2次試験を実施して、最終的な合否判定を行う制度です。選抜が2段階に分かれていることから2段階選抜と呼びます。
2段階選抜の実施を予告しているのは、主に難関大学や医学部医学科です。多くの大学では「志願者が募集人員の◯倍を上回った場合、第1段階選抜を実施する」としており、志願者数の状況によって第1段階選抜の有無が決まります。
2段階選抜の実施を予定している大学では、共通テストの成績次第で2次試験を受けることなく不合格となる場合もあるわけです。国公立大学志望者は、まず共通テストでしっかりと得点できる力をつけることが大事といえるでしょう。国公立大学の試験科目
2次試験の入試科目も共通テスト同様に大学によって異なります。また、同じ学科でも日程により異なるケースがほとんどです。
前期日程の入試科目は、一般的には文系学部で「外国語、数学、国語、地歴・公民」から2~3教科、理系学部では「外国語、数学、理科」から2~3教科が課されます。ただし、一部の難関大学では4教科を課す学部・学科もあります。
後期日程では前期日程に比べ教科数が少ないケースや、総合問題、小論文や面接などを課すところもあります。なかには、2次試験を行わず共通テストの得点のみで合否を決定する大学もあります。
配点についても共通テスト、2次試験ともに大学ごとに設定されています。専攻する学問に関連する教科の配点を高くすることも多く、例えば理系学部では数学や理科の配点が高くなっているケースが目立ちます。また、共通テストと2次試験の配点比率も大学によってかなりの差がありますので、志望大学の配点をきちんと確認しておきましょう。私立大学の入試について
私立大学の入試は、国公立大学と同じように一般選抜と学校推薦型選抜、総合型選抜に分けられます。私立大学の一般選抜では、国公立大学のように統一した入試日程は設定されていません。各大学が自由に入試日程、選抜方法を設定しています。また、試験日が重ならなければ何校でも受験できるのも私立大学入試の特徴です。この一般選抜は、各大学で試験を実施する「一般方式」と共通テストの成績を利用する「共通テスト利用方式」に大別できます。私立大学の一般選抜
私立大学の一般選抜は、1月下旬~2月中旬にかけて行われます。入試科目は大学によりさまざま設定されており、文系学部は英語・国語・地歴公民または数学から3教科、理系学部は英語・数学・理科の3教科を課す方式が一般的です。また、入試科目や配点に特徴がある入試方式を実施しているところも多くあります。科目数や選択できる科目が方式により異なったり、特定科目の配点が高い方式もあります。他にも、小論文や論述試験で選抜する方式や、民間の英語資格・検定試験のスコア保持者に点数を加点する方式なども見られます。
一般選抜には、「全学部入試」「統一日程」と呼ばれる入試方式があります。これは、複数の学部が共通の問題を使用して入試を行う方式で、1回の試験で複数の学部・学科を受験することができます。私立大学の共通テスト利用方式
共通テストの成績を活用する「共通テスト利用方式」も多くの大学で導入されており、一般選抜とは別枠で実施されています。2021年度に共通テストを利用した入試を実施した私立大学は500以上にもなり、全私立大学の約9割にあたります。現在、「共通テスト利用方式」の活用は非常に重要なものです。共通テスト利用方式では、大学独自の試験を課さず共通テストの結果だけで合否を決定するケースが一般的であるため、共通テストさえ受験していれば、大学へ行かずに複数の大学を受験することが可能になります。受験料は一般方式と比べて安価に設定されていることが多いです。共通テストの必要科目数は4教科以上としているところもありますが、多くは3教科以下となっています。また、共通テストの成績と個別試験の成績を合わせて合否判定する併用方式を設定している大学も多くあります。
共通テスト利用方式で注意したいのが出願期間です。国公立大学の一般選抜は共通テスト受験後の出願ですが、私立大学では共通テストの試験日より前に出願締め切りがくる大学も少なくありません。その場合は共通テストの結果を踏まえての出願ができないため、見込み出願をすることになります。一般的には、共通テスト利用方式は倍率が高くなることが多く、それに伴って合格レベルも高くなる傾向があります。一般選抜と共通テスト利用方式はバランスよく組み立てるようにしましょう。
学校推薦型選抜と総合型選抜について
学校推薦型選抜の特徴
「学校推薦型選抜(旧:推薦入試)」は、出願するためには出身学校長の推薦を受ける必要があります。出願にあたっては、「調査書の学習成績が◯以上」のような出願条件が設定されている場合もあり、誰もが出願できる入試というわけではありません。学校推薦型選抜は、大きく「公募制」と「指定校制」の2つに分かれます。「公募制」は、大学の出願条件を満たし、出身高校長の推薦があれば受験できる選抜です。一方の「指定校制」は大学が指定した高校の生徒を対象とする選抜で、私立大学が中心となっています。また、多くの大学では、「合格した場合は必ず入学する」専願制の入試となっています)。私立大学の公募制では、他大学の併願が認められている場合もあります。
学校推薦型選抜を考える場合は、出願するうえで制約があることと、原則第1志望校に限った入試であることを理解しておきましょう。
国公立大学の学校推薦型選抜と総合型選抜
国公立大学の学校推薦型選抜は、私立大学に比べて募集人員が少なく、出願条件のうち「評定平均4.0以上」など厳しい成績基準を設けている大学があるほか、1つの高校からの推薦人数が制限される場合もあります。また、国公立大学の場合は、共通テストを課す場合と課さない場合があり、その入試日程も大きく異なります。各大学の個別試験では、小論文のほか、プレゼンテーション、口頭試問、実技、または学力を確認する試験も行われています。「小論文」となっていても実質は「総合問題」のように構成されている出題も見られ、大問ごとに科目が異なる出題もあります。受験する場合は、事前に試験内容をよく調べる必要があります。
私立大学の学校推薦型選抜と総合型選抜
私立大学の学校推薦型選抜は、入学者比率が半数程度になる大学もあり、一般選抜と並ぶ規模になっています。選抜方法は、小論文や適性検査、面接、基礎学力試験、調査書等の書類審査をさまざまに組み合わせて選考されています。公募制、指定校制のほかに、高校の推薦書を必要としない「自己推薦型」の方式を実施している大学もあります。受験者自身が意欲や長所などを記した自己推薦書を作成する必要があります。一般選抜と同様に多様な選抜が実施されており、「スポーツ推薦」「有資格者推薦」「課外活動推薦」などもあります。総合型選抜の特徴
総合型選抜は、エントリーシートなどの受験生からの提出書類のほか、面接や小論文、プレゼンテーションなどを通じて、受験生の能力・適性や学習に対する意欲などを総合的に評価する入試方式です。他の入試方式と比べると、「高い学習意欲」「学びへの明確な目的意識」が選抜基準として重視されています。出願時に受験生自身が作成して提出する書類が多いことも特徴です。2021年度入試から、学校推薦型選抜と同様に、各大学が実施する評価方法に学力を確認する評価方法を活用することが必須となりました。国公立大学の総合型選抜では、出願が9~10月頃、合格発表11~12月上旬頃といった入試日程が一般的です。出願条件は、成績基準がない場合や、高卒生でも出願できるなど、学校推薦型選抜より緩やかな場合が多いです。大学によっては、出願要件として有資格者といった条件が加わっていることもあります。選考方法は1次試験が書類審査、2次試験が面接や小論文といった選抜がよく見られます。このほか、授業などに出席してレポートを提出するといったものもあります。また、基礎学力を測るために、共通テストを課す大学も多く見られます。総合型選抜は、大学も選抜に時間をかけており、受験生側にも労力がかかります。また、出願時に提出するものも多岐にわたる場合が多く、事前準備が多いことも特徴です。受験を考える人は早い時期からの対策が必要となります。
私立大学の総合型選抜の選抜方法はさまざまで、大学によりかなり違いがあります。難関大学では、国公立大学と同様に1次試験が書類審査、2次試験が小論文・面接という形式が一般的で、そこにプレゼンテーション、グループディスカッションなどを組み合わせた選抜方法を取り入れています。書類審査は厳しく、出願者の多くが通過できない大学もあります。出願要件も全体的に厳しく、個人の学力や能力が重視されるケースも多くみられます。
多くの大学で行われているのが対話型の総合型選抜です。エントリーの後、予備面談などを含めて複数回面談を行い、出願許可されると合格内定を得ることができる選抜方式です。このタイプの総合型選抜では、大学・学部への適性や学ぶ意欲がより一層重視されます。
総合型選抜は早期に合格が決まる分、早い時期に志望校を決定し、試験の準備をしなければなりません。自分の進路・適性をしっかりと考えたうえで受験しましょう。
大学全入時代について
大学入学希望者を大学入学定員が上回る状態を「大学全入」時代と呼んでいます。以前より言われていましたが実際は2022年段階では「大学全入」とはなっていませんでした。しかし、2023年4月には入学定員が志願者数を上回り「大学全入」時代になると言われています。
つまり、いずれ「えり好みしなければ」大学進学ができる時代となります。とはいえ、人気大学に受験生が集まるため、難関大学への進学は引き続き簡単ではありません。
志願者数ランキングを見ると千葉工業大学、法政大学、青山学院大学などの人気大学は前年に比べて志願者が大幅に増加しました。増加の要因としては前年度減少したことの反動や受験料免除、英語外部検定試験利用の導入、学部の新設などが考えられます。
首都圏の実質倍率ランキングを見ると、難関私立大学が上位を占めています。「大学全入」となっていても難関大学の倍率はいまだに高くなっています。
学部系統ごとの志願状況
就職を見据えて「資格志向」が強まり、医療系、理・工学系統といった理系学部、また公務員人気による法学部の人気が高まっています。全体的に理系の人気が高く、文系が低い「文低理高」傾向が強くなっています。