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入試分析チームが語る、神奈川県公立高校入試・理科の攻略法 前編

小中学部
小中学部
公開日:2023年10月11日

臨海セミナーが誇る「入試問題分析チーム」のご紹介

小笠原 先生

講師歴20年のベテラン理系講師。小中学部の教室長を経て現在は本部で入試問題の分析を行なっている。
数学、理科、教材の作成や指導カリキュラム作成を行っている。

小笠原先生

楠川 先生

講師歴20年のベテラン理系講師。小中学部の地域責任者を経て、現在は本部で入試問題の分析を行なっている。
現在はオンライン講座をはじめ、映像授業やプログラミング講座にたずさわっている。

楠川先生

[1]理科の入試問題の構成

楠川先生:構成としては8問。 大問1~4は各小問3題で、大問5~8は各小問4題の構成です。

――― 昔から8問の構成でしょうか?

楠川先生:分野の分け方が変わっただけで、大問が8問構成なのは変わりません。昔は大問1・2が化学で、3・4が物理で、その後が生物で最後が地学でというように各2問だったのが、今は物理化学生物地学・物理化学生物地学、という感じで混ざっています。

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楠川先生:大問1~4が単問集合。同じ流れや内容ではなくて、1問目と2問目が完全に違う問題です。大問5~8の方は基本的に同じ題材を単問1~4みたいな感じで繋げているので、そういう意味では単問ではなくて関連した内容が大問という感じです。
大問1~4の単問の方が、意外と難しいと思います。正答率の低い問題が、急にボンと入ってきたりします。

大問1~4の単問の方が難しい?

楠川先生:後半の大問5~8の方が決まった形で出ることが多いから、すんなり得点を取れる人が多いです。
単問には少し考えないといけない問題が入ることもあるので、人によって感じ方が違うかもしれないですが、難しいのではないかと思います。
記述問題が減ったことが、その原因かなと思います。数学の問題と同様に、記述を削る傾向が理科でも行われていますね。単問での正答率を下げて点数差を付けようとしています。

――― 今も、化学反応式や化学式を書く問題はありますか?

楠川先生:最近は出ていないですね。

[2]各分野の攻略法や勉強する時に意識すべきこと

――― 苦手とする生徒が多い『浮力』や『ばねばかり』のような問題を解くために意識するべきことは?

小笠原先生:中1の『ばね』の場合は、フックの法則と比例で完結するので、定期テストでは「テスト対策をやって点数取れました!」と、それで安心している生徒が多いです。
しかし入試問題では、今度はばねに吊るした物体が水中に入る。だからフックの法則にプラスして、『浮力』も......という、2つのことを考えないといけないので、中1の頃に比べると難度もかなり上がります。

小笠原先生:あとは、決まりごとや公式も、学校や定期テストでは単発でやって終了することが多いのですが、入試ではそれらを組み合わせて、同時並行で考えるようにしなければいけない。そこが難度が上がるポイントです。
まずはそれぞれの決まりごとをきちんと理解するのが大切。その次に、2つの内容が組み合わさった問題をやるとベストですね。

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2つ以上の要素を組み合わせて解けるようにする!

楠川先生:中2の『電力』と中3の『仕事』を絡めた問題が出て、解けなかった子がいたとします。実は「電力も仕事も、それぞれ単元としては理解していた」という感覚があるんですよね。それをちゃんと絡めている問題だということが見抜けないといけない。
先程の『浮力』の問題であれば、例えば『浮力』の範囲でも、両側から糸を2本で引っ張ってあげると今度は『合力・分力』の話にもなってくる、といった感じです。
だから、

  • それぞれの原理・原則をちゃんと理解している。
  • それを複数、かけ合わせても活用できる。

ことが大切です。これは物理で多く出題されますが、化学でも同じことが言えます。

別の単元を習うことで分かりやすくなることもあるので、復習はとても大事。

楠川先生:あとは、中1で習っている時は難しく感じたけれど、中2・中3でやり直すとそうでもなかったということもあります。理科は、他の単元が分かっていくと、前のことも理解できるようになることがあるんですよね。
本当は習った時に完結して覚えてほしいけど、その時にできなくても、後々もう一度そこを掘り返して勉強して・・・、というのを繰り返すことで一つずつ理解することもあります。

――― 一つひとつの原理・原則をちゃんと理解した上で組み合わせるということが重要ということですね?

小笠原先生:実際は、組み合わさった要素のうち、どちらから先に使うかという"順番"も大切です。こっちの決まりごとを先に使って考えて、次にこっちの決まりごとをプラスする、という。実はそこが難しいんですよね。

[3]理科の入試で点数を落としやすいところ

小笠原先生:点数を落としやすいところは、先程話した通り大問1~4のところですね。
問題がそれぞれ単発なので、実は考える作業と解く作業はそんなにないんですよ。なので、知識と原理・原則を理解しているかどうかで答えを出すことができます。

逆に、単発で終わるので、次の問題に内容が繋がっていません。もし繋がっている問題であれば、例えば問題アでおかしいことをやっても、問題イで不都合が生じる、問題ウで何かおかしい、ということが起きて、「じゃあやっぱり前に戻ろう」ということができます。
問1~問4はそういう気付きができません。勘違いして答えてしまうこともあります。

それに加えて結構ハードルの高い問題も出るので、正しい理解があって深く考えられる注意力と分析力がないと正解は導けない。
曖昧な知識でササッと考えてしまうと、見直ししてもミスにはもう気づけない...ということはよくあることですね。

――― 「後半部分(大問5~8)の方が解きやすい」というのは前の問題を利用するのでミスにも気づきやすいというところなんですね。

ミスに気づけない単問集合には知識の網羅も必要。

楠川先生:最近は、問1~問4の単問に、教科書の端っこに書いてあるようなすごく細かいことも出題されます。なので、「これは入試に出ない」というものはないと思って学習すべきです。「コラムの欄であったとしても、書いてあるものは全部覚える」という気持ちでいかないと、問1~問4の知識問題は厳しいですね。

――― 初めて見る問題のインパクトで頭が真っ白になってしまう、なんて事があると思いますが、理科だと後半の問題の方が馴染みがあるという意味では、後半から解くということも1つのやり方でしょうか?

楠川先生:それも一つの方法だと思います。

解く順番を工夫しよう!その練習に最適なのは......?

楠川先生:例えば生物が得意な生徒であれば問3からはじめて、次に問7を解いて、その後に他の問題をやって、など。解きやすいと調子が出てくるということもあるので、別に大問1から解く必要はないです。むしろ大問1から解かない方が良いかもしれないです。
昔の入試形式だと後半の方が易しい問題が多かったので、「後半から解くように」と指導してました。「生物やって地学解いて、その後、化学物理に戻りなさい」って。当時、化学が結構難しいこと多かったのです。なので「化学は一番最後に持っていきなさい」と指導していました。得意な分野や知識技能をいっぱい準備できたという単元から取り掛かるのが正解です。

あと、単問が解けなかったら一回後まわしにするのも正解だと思います。
次の問題は他の知識で解けるので、分からないもので時間を使うよりは、どんどん後まわしにし、ちゃんとわかるところで確実に得点を取ってから、分からなかった問題に戻る方が良いですね。
「分からないものは後まわし」というのは、一般的な受験のテクニックと一緒です。 理科では他の教科以上に大事かもしれません。

――― たしかに「分からない問題を後まわしにすることは大事だよ」と生徒に伝えることは多いのですが、実は結構、後まわしにするのって勇気のいる行動ですよね。

楠川先生:それを模試で練習するんです。先生のアドバイスや自分の得意なものを踏まえて、やる順番をシミュレートして決めて、模試で実践してみる。模擬試験でやってみてうまくいったらそのまま続けるし、うまくいかなかったらもうちょっと改良すれば良い。そのための模擬試験ですから。

――― 模擬試験ってやっぱり大事ですね。

楠川先生:大事です。

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理科後編では、以下の内容について語っていきます!

  • 理科の勉強をする際に必要なこと
  • これから受験する中学3年生へ
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