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2024年(令和6年)5月号_埼玉県公立高校入試版
埼玉県公立高校入試制度を知ろう
「ペンギン入試レポート5月号(埼玉県公立高校入試版)」では、令和7年度公立高校入試の日程、および入試制度をまとめました。早い時期から入試の仕組みを知り、意識を高めることができるかどうかで結果は大きく変わります。ぜひ、ご一読いただきお役立てください。
高校入試で合格を勝ち取ることができるよう、臨海セミナー職員一同できる限りの指導をさせていただきます。入試に関するご相談などがございましたら、ご遠慮なく臨海セミナーの各教室までお問い合わせください。
1、令和7年度入学者選抜の日程について
出願入力期間(インターネットを活用した出願を実施) | 令和7年1月27日(月)~2月10日(月) |
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出願書類等の提出期間 | 令和7年2月13日(木)、14日(金)、17日(月) ※2月13日は郵送による提出 |
志願先変更期間 | 令和7年2月18日(火)、19日(水) |
学力検査 | 令和7年2月26日(水) |
実技検査(芸術系学科等)・面接(一部の学校) | 令和7年2月27日(木) |
追検査 | 令和7年3月3日(月) |
入学許可候補者発表 | 令和7年3月6日(木) |
※追検査はインフルエンザ罹患をはじめとするやむを得ない事情により学力検査を受験できなかった志願者を対象とする。
※入学許可候補者発表後に実施する欠員補充の日程及び内容については、実施する高等学校において定める。
2、公立入試制度について
①選抜資料
埼玉県公立高校入学者選抜では、加算方式を採用しています。学力検査の得点・調査書の得点、実技または面接の得点(一部の高校のみ)に各高校が定めた定数をかけて求められる得点の合計点が高い順に合格となります。学力検査は、国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、各教科100点満点ですが、理数科や外国語科などの専門学科・コースでは特定教科の得点に比重をかける傾斜配点を設定する場合があります。調査書は、いわゆる内申となる学習の記録の得点、特別活動等の記録の得点、その他の項目の得点を各高校が定める基準に従って算出・合計したものです。また、専門学科では実技検査や面接を行う場合があります。
各高校で傾斜配点を行うかどうか、調査書の点数化の基準、実技検査・面接の有無に関しても、選考基準であらかじめ発表されます。発表があり次第、「ペンギン入試レポート」等でお知らせします。
②選抜方法
埼玉県公立高校入学者選抜では、「2段階選抜」を採用しています。第1次選抜で募集人員の60~80%を、第2次選抜で残りの20~40%を選抜します。高校によっては第3次選抜を行います。
第1次選抜では、「学力検査の得点」:「調査書の得点」の比率が4:6~6:4の範囲内になるように、第2次選抜では3:7~7:3の範囲内になるように各高校が設定します。この比率により、各学校が学力検査重視で選抜するのか、調査書を重視するのかが分かります。
なお、第3次選抜では、第1次選抜、第2次選抜における合計得点が一定以上の受験生を対象に、調査書の「特別活動等の記録」「その他の項目」や実技・面接などをもとに選抜が行われます。
ここでは、県立X高校の選抜基準例をもとに、詳しく選抜のしくみを見ていきましょう。
(例) 県立X高校の場合の選考基準
1:1:3→1年の9教科5段階評定:2年の9教科5段階評定:3年の9教科5段階評定
3年間オール5の場合、45×1+45×1+45×3=225点
⇒ 第1次選抜 ・・・ 募集人員の75%を選抜
(各資料の配点)
⇒ 第2次選抜 ・・・ 募集人員の25%を選抜
(各資料の配点)
⇒ 第3次選抜 ・・・ 実施しない
※1 調査書の満点は、225点(学習の記録の得点)+40点(特別活動等の記録の得点)+5点(その他の項目の得点)=270点ですが、405点となっていることから、405÷270で1.5倍されていると分かります。よって、X高校の第1次選抜の係数は1.5となります。
※2 調査書の満点は第1次選抜と同じく270点ですが、540点となっていることから、540÷270で2.0倍されていると分かります。よって、X高校の第2次選抜の係数は2.0となります。
→上記の係数1.5、2.0といった値は、各高校が独自に定めた定数で、その高校の選抜基準により異なります。
例 Aくん 調査書の評定は中1 27/45、中2 27/45、中3 36/45
学習の記録の得点:27×1+27×1+36×3=162点
特別活動の記録の得点:30点
その他の項目の得点:3点
例 Bくん 調査書の評定は中1 27/45、中2 36/45、中3 27/45
学習の記録の得点:27×1+36×1+27×3=144点
特別活動の記録の得点:30点
その他の項目の得点:3点
例 Cくん 調査書の評定は中1 36/45、中2 36/45、中3 36/45
学習の記録の得点:36×1+36×1+36×3=180点
特別活動の記録の得点:30点
その他の項目の得点:3点
★ 第1次選抜
Bくん (144+30+3)×1.5+370=635.5点 ⇒ 不合格
Cくん (180+30+3)×1.5+400=719.5点 ⇒ 合格
AくんとBくんは、第1次選抜不合格のため、第2次選抜にまわることになります。
★ 第2次選抜
Bくん (144+30+3)×2.0+370=724点 ⇒ 不合格
調査書の学習の記録の得点は1年や2年の評定に対して、3年の評定を2倍や3倍にするなどして重視する傾向にあります。
前述の例県立X高校では、3年の評定を3倍しているため、AくんとBくんは3年間の評点の合計が同じですが、選抜に使用される得点としては、3年で高い評定を取っているAくんの方が高くなります。また、調査書の得点と学力検査の得点のどちらを重視する高校を受験するかによっても結果は大きく変わってきます。県立X高校ではBくんが第2次選抜で不合格となっていますが、学力検査の得点はAくんよりも高いため、学力検査の得点を調査書の得点より重視する高校を受験した場合、合格の可能性はBくんの方が高くなります。
学習の記録の得点の学年比だけでなく、学力検査に対する調査書の配点から、自分に有利な学校をよく見定めることが求められます。旧学区のトップ校は軒並み学力検査の結果を重視しており、内申の評定がとれていなくとも合格するケースがしばしば見られます。
令和7年度入試における各高校の第1次選抜・第2次選抜での各選抜資料の配点に関しては、令和6年7月以降に埼玉県教育委員会から発表される、各高校の選抜基準に記載される予定です。発表され次第、「ペンギン入試レポート」等でお知らせします。
3、志願先変更について
志願先変更の機会は1回のみです。
志願先変更期間内に1回に限り志願先を変更することができます。同じ高校の学科間の変更や第2志望の学科だけを変更する場合についても、志願先変更と同様に志願先変更期間内に1回に限り変更することができます。ただし、先に志願していた高校から志願先変更証明書を交付された後(変更で必要な手続きが終了した後)は、その志願先変更を取り消すことはできません。予定していた変更先高校で手続きを行ってください。
4、第2志望制について
複数の学科やコースなどがある学校では第2志望が認められている場合があります。原則として第2志望の判定は第2次選抜で行われます。理数科を第1志望・普通科を第2志望とすると、第1次選抜は理数科のみで判定し、不合格の場合は、第2次選抜で理数科と普通科の両方で合否判定を行います。理数科の第2次選抜の定員内であれば理数科合格となりますが、理数科で定員外・普通科で定員内の場合は、普通科合格となります。
なお、第2志望制を採択している学校であってもすべての学科において相互に第2志望を認めているとは限りません。例えば令和6年度入試の県立越生高校では美術科を第1志望・普通科を第2志望とすることは認められていましたが、その逆は認められていませんでした。高校・学科ごとの第2志望制の有無につきましても、令和6年7月以降に埼玉県教育委員会から発表される、各高校の選抜基準に記載される予定です。発表され次第、「ペンギン入試レポート」等でお知らせします。
5、学校選択問題について
高校の判断により、数学と英語において一部応用的な問題を含む学力検査(学校選択問題)を実施する場合があります。「学校選択問題」は埼玉県教育委員会が作成し、令和6年度では22校が実施しました。令和7年度入試で学校選択問題を採択する高校については、令和6年6月以降に埼玉県教育委員会より発表となる予定です。発表され次第、「ペンギン入試レポート」等でお知らせします。
6、私立併願校について
近い学力層の受験生が集まる公立高校入試では、少しの得点ミスにより合格が厳しくなる場合があります。また、入試当日の体調等によって、内申に余裕がある生徒でも実力が出し切れないこともあります。したがって、公立高校が第一志望であったとしても、必ず私立高校を併願で受験するようにしてください。先に私立高校を受験することで入試当日の緊張感に慣れることができますし、公立高校入試前に私立高校の合格を得ておくことで気持ちに余裕を持って公立高校入試を迎えることができます。
併願の私立高校は公立高校が不合格となった際には進学することになる高校です。まれに、公立高校合格発表後に「併願した私立高校に納得できないので、その高校への進学を取り止め、別の私立高校を受験したい」という生徒がいますが、この時期に募集を行っている私立高校はかなり限られることになります。そのようなことがないよう、必ず事前に学校説明会などに参加し、校風や教育方針等を見極めたうえで、3年間通いたいと思える高校を受験校とするようにしてください。
また、経済的な事情から私立高校への進学が難しく、公立高校のみを受験するというご家庭があります。入学金や学費等に関しては、国や県からの補助金(返還不要)を利用することで進学が可能な場合も少なくありません。経済的な事情により私立高校の受験を迷われている場合には、ご遠慮なくお通いの教室にご相談ください。
臨海セミナーの進路指導では、受験生一人ひとりにあった高校選びを、スタッフ一同が全力でサポートしてまいりますので、ご安心ください。