kanagawa_kohyo_kv_2024.png ※このページでは、検定教科書のうち、多くの教科書で中2までに学習する内容で解説をしております。

英語

大問構成は昨年度と変わらず8題構成でした。文法や語彙、読解などを総合的にはかる問題で、より実践的な力が求められました。

問1はリスニング。(ウ)で選択肢の形式に変化があったものの、ほぼ例年通りでした。

問2・3は空所にあてはまる適切な語句を選ぶ問題。問4は語順整序の問題。語彙や文法は教科書レベルであるものの、文意を理解する力が必要でした。下部に詳細の解説を載せています。

問5は英作文。英文とイラストから場面を把握し、適切な英文を作る必要がありました。

問6は長文読解問題。グラフの内容を表す英文を選ぶ問題や、空欄に入れる適切な英文を選ぶ問題などが出題されました。

問7は英文と資料を見て答える問題。対話文や記事の英文を読みながら資料と照らし合わせて情報を整理することで、選択肢を絞っていくことができます。

問8は対話文読解問題。(ア)は文中の内容に合うグラフを選ぶ問題で、近年よく出題される形式です。下線部以降を読み進めれば、複雑な計算は必要ないことがわかります。落ち着いて取り組みましょう。

問題解説

  • [中2内容] 問3 適語(句)選択

    (ア)空欄の直前に接続詞so「だから」があることから、The table looks heavy「そのテーブルは重そうです」の部分が、空欄以降の「あなたの助けなしでそれを〇〇は難しいでしょう」という発言に対する理由であると判断できます。so以下は、助動詞willがあることに注目しましょう。willの直前の(  ) it without your helpまでが主語と判断して、主語になり得る動名詞の2. movingを選択することができます。「そのテーブルはとても重そうだから、あなたの助けなしでそれを動かすことは難しいでしょう」となり、AのCan you put that table by the door?「ドアのそばにあのテーブルを置くことはできますか」という疑問文への応答になります。

  • [中2内容] 問4 語順整序

    (ア)語群の直後にin English「英語で」、Bの応答でIt’s a watermelon.「スイカです」とあることから、前にある「my favorite fruit『私の好きな果物』を英語で何と呼ぶか」をたずねる文を作ればよいとわかります。語群の中で主語になれるものは、2. youと5. itがありますが、疑問詞whatを使って「あなたがそれを何と呼ぶか」をたずねる文を作りたいので、主語にはyouを使います。また、語群の中で動詞として使えるものは、1. do、4. is、6. callと3つありますが、主語にyouを使うことから、isを動詞として使うことができないため、isが不要だと判断できるはずです。疑問詞whatを使った一般動詞の疑問文を作ればよいので、what do you callという語順でつなげます。callの目的語として使えるものが語群にはit「それ」しかないため、callの直後において完成です。

    (イ)文末にtoday or tomorrowとあることから、「今日か明日のどちらが良いか」をたずねる文を作ればよいと予想できます。語群に疑問詞whichがあることから、初めにwhichを置きます。whichは単独で文頭に置くか、疑問詞+名詞のまとまりを作ることができます。語群にはdayという名詞があり、今回は語群に冠詞が含まれていないため、whichの後ろに名詞dayをつなげてwhich dayという疑問詞+名詞のかたまりを作るとわかります。今回の文では、語群の中で主語として使えるものが他にないため、疑問詞を主語にし、語群にあるbe動詞is、比較級betterを後ろにつなげます。語群の直後に代名詞youがあることから、残っている前置詞forを最後に置き、for you「あなたにとって」というかたまりを作ることができれば完成です。

  • 出題一覧表
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数学

大問数は昨年と同様6題でしたが、大問ごとの小問配置と配点に多少の変化がありました。

問2は、変域球の体積不等号を用いた表現などが出題されました。

問3は、相似な図形の証明のほか、円と角度データの処理三角形と線分の長さ食塩水と濃度についての出題がありました。三角形の問題では与えられた長さから特別な三角形を作ることができれば大きく正解に近づけたでしょう。

問4の関数は、例年と出題傾向は大きく変わりませんでした。問題文で与えられている情報を抜け漏れなくグラフに整理しましょう。

問5の確率は、例年通りの出題で、難度が高いものではありませんでした。

問6の空間図形は、三平方の定理が使える状態にすることや計算の複雑さから、難度が高いものであったといえるでしょう。

全体を通して、基本的な問題を素早く正確に解くことはもちろん、時間がかかりそうなものや、難度が高い問題を見極めて時間配分を行い、手際よく着実に得点していく必要がありました。

問題解説

  • [中1内容] 問3(エ) 食塩水と濃度
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  • [中3内容] 問3(ウ) 三角形と線分の長さ
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  • 出題一覧表
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国語

今年度は、昨年度と変わらず大問5題、小問30題の構成でした。

問一は、漢字の読み、同じ読みの漢字、短歌の鑑賞です。漢字の読みは昨年同様の選択式で、「拙い」のように読み方を間違えやすい言葉が出題されました。

問二は小説文です。昭和35年の青森県で、嫁入りの日を迎えた「より子」の視点で描かれた文章でした。舞台が60年以上前で方言も用いられた文章なので、難しいと感じた受験生もいたでしょう。例年と同じく心情を問う問題が中心で、それぞれの登場人物の心情やその変化を丁寧に読み取る必要がありました。

問三は論説文です。ファッションとコミュニケーションに関する文章でした。(カ)は、様々な意見が列挙されている二つの段落とそれぞれの選択肢の内容を照合する必要があり、難しかったかもしれません。下記の解説も参照してみてください。

問四は古文です。例年、傍線部の説明を問われる問題が多く、今年も発言が誰のものなのかをとらえ、登場人物の行動やその意図を正しく理解する必要がありました。

問五は「AIとの関わり方」について、二つの文章から情報をとらえる問題です。近年出題が続いていたグラフの読み取りはなくなりました。(イ)は二つの文章を読んで、心がけるべきことを25~35字で記述する問題でした。二つの指定語句を手掛かりに、ふさわしいところを探してまとめる必要がありました。

問題解説

  • 問三(ア) 論説文の読解
    空欄Aの前では「不都合」が列挙されていて、空欄Aの後ろでも「伝播していく過程で……意味が多様になってしまうので」という問題が述べられているので、累加の接続詞が適切です。空欄Bの前では、ファッションが「言語の一種とは言い難い」もので、衣服は「言語とは違うシステム」だと述べられているのに対し、空欄Bの後ろでは「……と言っても」と一部を認める表現になっているので、補足の役割をする「ただ」が合います。よって、1が正答です。
  • 問三(エ) 論説文の読解
    衣服に書かれた文字のことは、第1段落で「単なる名前以上の意味を持つ」、「ただ書かれたままのメッセージを伝えているわけではない」と述べられています。これと合うのは1です。
  • 問三(オ) 論説文の読解
    衣服と文字や音声の関係は、第6段落で書かれており、これと合うのは4です。3は「文字や音声だけでは表現することが不可能な感情や感覚を、正確に伝える」の部分が、第6段落の「言語化できない感情や感覚を伝えているのではなく」と合わないので誤りです。
  • 問三(カ) 論説文の読解
    傍線3の前後の文章構成が、<第8・9段落の内容「にもかかわらず」、「強引な読み」が後を絶たない>となっているため、第8・9段落の内容をとらえます。1の選択肢が、第8段落の「衣服の意味は……社会集団によって、まるで異なってしまう」や第9段落の「流行の服の解読……『新しい』という社会的な合意しか見つからない」などと合います。
  • 問三(キ) 論説文の読解
    第12段落の内容を正確にとらえている2が正答です。1は「一人ひとりが」以降が、3は「世代の異なる人々が」以降が、4は「考えをめぐらせて新しい表現方法を生み出す」が誤りです。
  • 問三(ク) 論説文の読解
    傍線5に「そういった」という指示語が含まれているため、まずは前の第14段落を読むとよいでしょう。2が、第14段落の「とはいえマスメディアでは……消えていく」という傍線5の説明になっている部分と、第15段落の「言語活動によって……社会とより深い繋がりを持つことができる……警鐘を鳴らすことができる」という、ファッションにおける言語活動の必要性を述べている部分と合います。
  • 問三(ケ) 論説文の読解
    3の「衣服が情報伝達の手段となっている現状」は第3段落、「学説を複数引用して」の部分は第7~9段落と合います。これらが第16段落で「ファッションがコミュニケーションを成立させている」ことが重要であるとまとめられています。1は、「言語特有の性質を把握」「衣服に対して言語が果たすべき役割」などが誤りです。2は、「衣服と文字が歴史的にどのような関係を作りあげてきたかを分析することで」が誤りです。4は、「疑問を投げかけた」「流行に惑わされない方法」が誤りです。
  • 出題一覧表
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理科

大問構成は例年通りですが、配点については1点問題や2点問題が設置され結果的に小問数が増えました。暗記や単純な計算のみならず、それをいかに応用できるかが問われる問題や実験結果から考察する問題が出題されました。

【物理分野】光の屈折、輪軸、作用・反作用、電流と磁界・直流と交流・音の複合問題が出題されました。見慣れない実験であっても図や表からどの知識を使えばよいか考える問題が目立ちました。

【化学分野】溶解度、化学反応式、ダニエル電池、酸・アルカリからの出題でした。塩の特徴はもちろん、電解質水溶液をきちんと理解できているかがポイントでした。

【生物分野植物のつくり、細胞のつくり、だ液のはたらき、遺伝の規則性が出題されました。問7(エ)は表を活用することで正解に大きく近づけたでしょう。

【地学分野】地層、惑星、南中高度、前線と天気の変化から出題されました。問われていることの本質を理解し、的確な知識で答えていくことでスムーズに解き進められたでしょう。

問題解説

  • [中2内容] 問5(ア) 物理分野 電流と磁界・直流と交流・音
    コイルに電流を流すと右ねじの法則にしたがって磁界が発生します。そのコイルがつくる磁界と図の磁石が引き合うか反発し合うかを考えましょう。表より、電流を大きくすると電子てんびんの示す値が大きくなることから、コイルは下向きの力を受けていることがわかります。また「下向きに力を受ける」ことから、コイルが磁石と反発しあっていることもわかります。図の磁石はN極を下にしているため下向きの磁界をつくり、これを受けて反発するようにコイルは上向きの磁界をつくります。以上より、「3」が正答です。
  • [中2内容] 問5(イ) 物理分野 電流と磁界・直流と交流・音
    表より、電流を50mAずつ大きくすると電子てんびんの示す値が0.84gずつ大きくなっています。また「回路に流れる電流を逆向きにして」とあることから、コイル内部の磁界の向きも上向きから下向きに変化し、磁石から受ける力の向きも逆向きになります。これらのことから100mAでは0.84×2より1.68gだけ、てんびんの示す値が小さくなると考えられます。したがって、10.80-1.68より9.12gを示します。以上より、「2」が正答です。
  • [中2内容] 問5(ウ) 物理分野 電流と磁界・直流と交流・音

    8は直流電源を使用しているため、電流の流れる向きは一定で、この回路は時計回りに電流が流れています。このため一方の発光ダイオードは+側から電流が流れるため点灯しますが、もう一方の端子は-側から電流が流れるため点灯しません。以上より、「4」が正答です。

  • [中2内容] 問5(エ) 物理分野 電流と磁界・直流と交流・音
    図9の音の波形は、図4と比較して「振幅は大きく、振動数は小さい」ことがわかります。まず振幅を大きくするためには、コイルを大きく振動させればよく、そのためには電流を大きくして磁界を強める必要があります。したがって電圧を大きくすればよいと考えられます。また振動数については図3と図4の波数がほぼ等しいことから、交流電源の周波数で音の振動数が決定すると考えられます。よって、図9は図4より振動数が小さいため、交流電源の周波数も図3より小さいと考えられます。以上より、「2」が正答です。この大問では図3・図4・図9と複数の波形のグラフが登場します。比較するものを取り違えないように注意しましょう。
  • 出題一覧表
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社会

大問は7題で、設問数は34題とほぼ例年通りでした。問題形式は昨年と同様、すべて選択形式の問題でした。

問1は世界地理。(イ)では、昨年度とやや異なり、緯線・経線が5度ごとに引かれたメルカトル図法の地図を用いて、緯度や時差について問われました。その他は、東南アジアやオセアニア州についての設問が中心でした。

問2は日本地理。2020年度を最後にしばらく出題がなかった国内の都市の雨温図が出題されたほか、地形の断面図や昼夜間人口に関連したグラフが資料として出されました。

問3は近世までの歴史、問4は近代以降の歴史。全般的に広く知識を必要とする問題が出題され、選択肢を正確に見極める力が求められました。

問1~問3は抜粋して、下部に詳細の解説も載せていますので、そちらもぜひご覧ください。

問5は公民の経済分野、問6は政治分野からの出題。経済分野では円高・円安やお金の流れに関する問題が多く出題されました。政治分野では問6(エ)の問題に法律や憲法の条文が多用されており、難しいと感じた受験生もいたのではないでしょうか。落ち着いて資料の要点を読み取り、情報を処理することが求められました。

問7は三分野総合問題。各分野の知識と、資料を読み取る力がバランスよく求められました。特に(エ)は、4つの資料を読み取って内容を整理する必要があったために、解答に多くの時間がかかったことが予想されます。

問題解説

  • [中1内容] 問1(ウ) 世界地理 宗教

    下線部②「植民地支配にともなって布教された宗教」について述べた正しい文を選ぶ問題です。地図中Bのフィリピンは、かつてスペインやアメリカに植民地支配されていました。ヨーロッパで広く信仰されているのはキリスト教ですが、ヨーロッパの国々が植民地として支配していた南北アメリカ州の国々にも布教されています。よって正解は3と判断できます。

    その他の選択肢も、キーワードからどの宗教か判断できるようにしておきましょう。1.は「シャカがひらいた宗教」から仏教、2.は「教典の『コーラン』」からイスラム教、4.は「牛が神聖な動物」からヒンドゥー教であるとわかります。

  • [中2内容] 問2(ア) 日本地理 各地の気候の特徴・雨温図

    つくば市、富山市、高松市の雨温図の組み合わせを選ぶ問題です。それぞれの都市がある地域でどのような気候の特徴が見られるのか覚えておく必要がありました。特に、富山市は日本海側の気候、高松市は瀬戸内の気候にそれぞれ属していることが判断材料です。日本海側の気候は、北西の季節風の影響で冬の降水量が多くなります。それに対して、瀬戸内の気候は、年間を通して比較的降水量が少なく、暖かいという特徴があります。それらの特徴から、富山市がQ、高松市がPであると判断できます。

    つくば市は、太平洋側の気候に属しています。太平洋側の気候は、南東の季節風の影響で夏から秋にかけての降水量が多くなるという特徴があります。9月から10月にかけて降水量が特に多くなっているのは、台風による影響です。この特徴にあてはまるのは、残ったRの雨温図です。よって、正解は6です。

  • [中1内容] 問3(イ) 近世以前の歴史 8世紀後半の資料と、地形図の読み取り

    与えられた資料は8世紀のものとあるので、飛鳥時代の終わりから平安時代の始まりの頃のものです。

    aは地形図の南側の等高線の幅が狭いことから、海ではなく山であるとわかるため誤りです。bは資料で四角形に区切られた区画が地形図の南東側から北西側にかけて見られます。田を表す地図記号を覚えておきましょう。cは「墾田永年私財法」がキーワードです。奈良時代である743年に成立した法律です。dは「地頭が設置された」がキーワードです。源頼朝によって1185年に設置されたので、誤りです。

  • [中2内容] 問3(ウ) 近世以前の歴史 12世紀から16世紀のできごと
    Ⅰは「鎌倉府」とあるので、室町時代のできごとです。Ⅱは「豊臣秀吉」とあるので、安土桃山時代のできごとです。Ⅲは「後鳥羽上皇」や「幕府に味方した東国の武士」とあるので、鎌倉時代の承久の乱の後のできごとです。よってⅢ→Ⅰ→Ⅱとなり、答えは5です。
  • [中2内容] 問3(オ) 近世以前の歴史 17世紀のできごと

    まず下線部である17世紀を西暦にすると1601年から1700年までとなります。〇〇世紀を西暦にするときは、後に0(ゼロ)を2つつけた年までと覚えましょう。

    この期間は江戸時代の初めから中期頃にあたります。bの「士族」やcの「天明のききん」は明治時代や江戸時代後期のできごとなので選べません。aの「質を落とした貨幣」は、徳川綱吉の政治で寺院建築などによって幕府財政が悪化し、質を落とした貨幣が流通したできごとを表しています。

  • 出題一覧表
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