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英語

問題の構成は大問9題、小問32題でした。マークシート式の実施に伴って、一部の問題の出題形式に小さな変更がありました。また、全体の配点の比率が変わり、より読解に比重を置いた出題となっています。状況に適した発言を解答する問題などが出題され、英語の4つの技能が問われました。

大問1~4はリスニング問題。大問1~3は、英語の放送を聞き、正しい応答文や内容について符号で答える問題です。大問4は出題形式が変更され、聞き取った英文をもとに、与えられた英文の空所に入る内容を選択する問題が出題されました。

大問5は語形変化・語順整序の問題。受動態や間接疑問文、関係代名詞など、頻出の文法が出題されました。

大問6は条件英作文問題。昨年度は一続きの4コマの場面設定でしたが、今年度は異なる2つの場面で2コマずつという形式に変更されています。実際に起こる場面を想定した問題でした。

大問7・8は読解問題。大問7は、本文に適切な語句を補う問題や、資料をもとに答える問題などが出題されました。下部に詳細の解説も載せています。大問8は、ファストファッションに関するスピーチと話し合いを読んで答える問題でした。英問英答の出題がなくなり、代わりに、話し合いの内容に合った言葉を書く英作文の問題が出題されました。

大問9は対話文中の空欄に当てはまる文を答える問題。2021年度から出題されていた、文中の空欄に当てはまる10語程度の英語を自分で考えて書く問題がなくなり、符号選択のみの形式に変更されました。下部に詳細の解説も載せています。

問題解説

  • [中2内容]  大問7 文章を読んで解答する問題

    中学2年までの学習内容

    (2)①お知らせを見てヒロコ(Hiroko)とボブ(Bob)が駅で待ち合わせる日時を解答する問題です。ボブは最初の発言でI want to try on a Japanese kimono.「日本の着物を着てみたいです。」と言っており、この内容はお知らせの下部、花のマークで示されたイベントが催される場所を記したところにあります。Try wearing traditional clothes from various countries! (Day 1 only) (You can try on Japanese kimono, too.)とあるので、1日目(土曜日)に行くことがわかります。また、ヒロコはI want to watch the Spanish dance performance.「私はスペインのダンスパフォーマンスが見たいです。」と言っており、この内容はお知らせの上部、Stage Events (Midori Park)にあります。Day 1のWorld Dance Performancesの10:30-11:15にSpainとあるので、2人はこのイベントに間に合うように待ち合わせる必要があります。よって選択肢ではアat 10:00 on Saturday「土曜日の10:00」が正解です。

  • [中2内容] 大問9 対話の空欄に当てはまる文を選ぶ問題

    中学2年までの学習内容

    ケン(Ken)とジュディ先生(Judy)が自信を持つことについて、ハワイのことわざを引き合いに出して話している場面です。前後の内容から文脈を把握して解く問題です。
    (2) 直前で、ジュディ先生が提示した“No rain, no rainbow.”が、ジュディ先生のお気に入りのことわざであると話しています。(2)の前の文のItが指しているのがこのことわざということを把握できるとよいでしょう。直後のWe often see a beautiful rainbow after it rains.「私たちは雨が降った後に美しい虹をよく見ます。」だけでは判断が難しいかもしれませんが、次にIt means that ~.「それは~を意味します。」とあるので、これはことわざがどのような意味なのかを説明しているとわかります。よってことわざがどういう意味かをたずねる選択肢アWhat does it mean?「それはどういう意味ですか。」が適切であるとわかります。

    これをふまえると(3)も解くことができます。選択肢がすべてafterで始まっていることに注目すると、It means that good things often come to you after ~.「それは、良いことはよく~をした後にあなたに来るということを意味しています。」となり、「虹が見えること」を「良いこと」と考えると、「雨が降ること」は「大変なこと」と置き換えるのが良いでしょう。よって選択肢エafter you have a difficult time「あなたに大変な(困難な)時間があった後に」が正解です。

  • 出題一覧表
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数学

大問の構成は昨年と同じ4題で、配点も大問1~4それぞれ51点、15点、16点、18点と昨年同様。また、本年よりマークシート式が導入されました。

大問1は小問集合で比較的解きやすい問題が多く出題されました。

大問2は放物線と平行四辺形を利用した問題。座標を文字で表す必要がありました。

大問3は平面図形の問題でした。必ず得点したい基礎的な内容から難度の高い線分の長さを求める問題が出題されました。

大問4は相似な図形1次関数の知識・技能について正確性と計算処理のスピードが試されました。

問題解説

  • [中1内容] 大問1(7)① 円錐の展開図・作図
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  • [中1内容] 問1(7)② 円錐の展開図・作図
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  • [中2内容] 問4(1)③ 1次関数の利用
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  • [中2内容] 問4(2) 1次関数の利用
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  • [中2内容] 問4(3) 1次関数の利用
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  • 出題一覧表
    2024【千葉】出題範囲・配点一覧表(数学・理科) メイリオ.png

国語

大問は7題、小問は34題の構成でした。昨年度は記号問題と記述問題の配点がおよそ3:7でしたが、今年度はほぼ5:5になり、記述問題の割合が小さくなりました。本文に関連する文章を使った問題のように、思考力を問うものもありました。

大問一は聞き取り問題です。自分が驚いた体験をきっかけに、他者に感想を伝えることについて話す場面の放送を聞く問題でした。今年度もそれぞれの人物の着眼点のなどを考える問題でした。

大問二、大問三は漢字で、書きは小学校、読みは中学校までの学習範囲からの出題でした。漢字の書きでは今年度も四字熟語が1問出題されました。

大問四は論説文です。「自己」と社会についての文章でした。(4)は本文の表現を言い換えた選択肢の内から適切なものを複数選ぶ完答問題でした。(5)は、本文とは別の引用文を読み、本文と照らし合わせて設問中の空欄にあてはまる言葉を書く問題でした。以下の解説も参照してください。

大問五は小説文です。心情を問うものが中心でした。(6)は数年間出題が続いている話し合い形式の文章を用いた問題でした。

大問六は古文です。文章は例年並みの長さでした。(5)(b)は30~35字の記述問題で、教訓の具体例にあたる本文の内容を正確にまとめる必要がありました。

大問七は作文です。「知識」と「知恵」の違いを把握したうえで「知恵」について自分の意見を書くものでした。「知恵」の説明と、それに関連した自分の意見と具体例がきちんと書けているかがポイントでした。

問題解説

  • 大問四(4) 論説文

    この「出会い」をどのように捉えているかという問題です。傍線Cの直前の「多様な他者」の説明として、傍線Cを含む第6段落の内容から読み取れる「他者」を適切に言い換えたものを二つ選びます。「最も親密な他者」と「一度も出会うことがない圧倒的多数の他者」の内容と合うのはイとオです。

    アは、役割を演じることは「他者」の説明として本文で述べられているわけではないため誤りです。
    ウは、「これから関係の構築をめざしていく他者」のことは本文でふれられていないので誤りです。
    エは、相手に「肯定的感情」や「苦手意識」をもつことに関して本文ではふれられていないので誤りです。

  • 大問四(5)(a) 論説文

    問いの文章の最初の「『自己』をつくりあげる」ことに関して、本文では、第4段落の「『I』と『me』のダイナミクスによる自己の形成」と書かれていました。「I」は第5段落で「創発的で創造的な営みの源」と述べられています。これらのことから、問いの「『批判する力』を持たない『私』」は、「I」を持たない私、つまり「me」だけの存在ということになるので、空欄Ⅰには「me」の説明として適切なものを選びます。第8段落で「me」を引き合いに出した「I」の説明として「『社会性』を守ること以上に……創造するその力が大切」だと述べられています。批判する力を持たないということは、創造する力がないということです。つまり、残るのは社会性を守ることになるので、「me」の内容としてはエが最も合います。

  • 出題一覧表
    千葉国語2024出題表.png

理科

大問1が小問集合、大問2~9は物理・化学・生物・地学から各分野2題ずつの出題でした。また、本年よりマークシート式が導入されました。

大問5地層の観察についての問題。(3)、(4)は複数の柱状図や露頭の図から、地層のつながりを考える問題で、順序立てて論理的に考える力が試されました。

大問6水中で物体にはたらく力の問題。(3)では動滑車を絡めた問題が出題されました。

大問7月食や日食についての問題。(4)では月と太陽の大きさや距離について考える問題が出題されました。問題文の情報を整理し、計算する問題でした。

大問3(1)と大問8(2)の記述問題では昨年度はなかった字数制限が設けられました。条件に合わせて簡潔に説明する力が問われました。

問題解説

  • [中1内容] 大問5(3) 地層のつながり
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  • [中1内容] 大問5(4) 地層のつながり
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  • 出題一覧表
    2024【千葉】出題範囲・配点一覧表(理科) メイリオ.png

社会

大問数は8つ、設問数は32問と問題構成は昨年度から変わりませんでした。あてはまる選択肢をすべて選ぶ完答問題が複数出題されました。

大問1は各分野の小問集合。(2)は資料を読み取る完答問題で当てはまる選択肢がいくつあるか分からないため、例年より解くのに時間を要しました。(4)は漢字指定の表記はありませんが字数の指定がされているため、漢字の部分は漢字で表記する必要がありました。

大問2は日本地理の問題。地形図の読み取りでは、完答問題や実際の面積を算出する問題が出題されました。地図上の長さが記載されていないため、めもりを参考におおよその長さを求めてから計算していく必要がありました。

大問3は世界地理の問題。(1)の最短ルートを選ぶ問題は中学1年生の定期テストでも出題される形式ですが、山なりになるという形だけでなく、正距方位図法からどこを通るか明確にする必要がありました。

大問4は近世までの歴史の問題。(4)は資料をもとにして、鎌倉時代の御家人が領地を分割相続していたことを指定の字数以内で記述する問題でした。前後の言葉のつながりもふまえてまとめる必要がありました。

大問3・4では一部の問題について下部に詳細の解説も載せています。

大問5は近代以降の歴史の問題。(5)では四大公害病の知識が問われ、どの県で発生したかまで覚えていることが求められました。

大問6は経済分野の問題。(3)は日本経済に関するできごとの年表をもとに、各年代に適した経済成長率のグラフを選択する問題で、どのようなできごとが景気の上昇・下降に関わるかを考える思考力が問われました。

大問7は裁判に関する問題。細かい言葉の使い分けや裁判員制度に関する正確な知識が必要でした。

大問8は国際社会に関する問題。(2)は政府開発援助(ODA)の内訳と援助先の地域別割合の2つの資料を組み合わせて解く問題でした。

問題解説

  • [中1内容] 大問3(2) 世界の都市の気候(雨温図)

    地図中<あ>の都市は地中海性気候の地域に位置する都市です。地中海性気候は温帯の中でも夏の降水量が少なく、冬は比較的湿潤な気候となることが特徴です。この特徴に当てはまるグラフは選択肢アです。

    雨温図を見てどこの都市かを判断する問題は、雨温図の気温のグラフ、降水量のグラフの順に見ていくとよいでしょう。気温のグラフは、7月~9月にかけて高くなる山型になっているものが北半球の温帯の雨温図です。選択肢アが当てはまります。

    選択肢ウは年降水量がかなり少ないので砂漠気候に位置する都市とわかります。地図中では、<い>の都市です。気温のグラフがV字型になっている選択肢イは南半球の都市であると判断できます。<あ>~<え>の中で南半球に位置するのは<え>だけです。また、選択肢エは気温のグラフが年間を通してほぼ一定で、1年を通して高温であることがわかります。このような都市は赤道に近い地域にあります。地球の地軸の傾きの影響を受けにくいので、1年を通して暑くなったり寒くなったりすることが少ないです。赤道付近の都市は<う>です。

  • [中2内容] 大問4(3) 19世紀のできごと

    19世紀は1801年~1900年の期間です。1863年のできごとである、選択肢ウが正答です。

    すべての正確な年号を覚えるのが苦手だという場合でも、日本のできごとと同時期の世界のできごとや、できごと同士の時系列を覚えておくとよいでしょう。今回の問題では下線部の「戊辰戦争」から日本の幕末頃のできごととわかります。1853年のペリー来航は暗記をしている人も多いのではないでしょうか。1858年の開国後、諸外国との貿易が盛んになった頃、日本の最大の貿易相手国がイギリスであったのは、アメリカが南北戦争中であったためだと知っていると、正確に年号を暗記していなくても解くことができる問題でした。初期の学習時では分けて覚えがちな日本のできごとと世界のできごとの時系列をとらえることも社会の学習では重要です。

  • 出題一覧表
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